第28回 言語聴覚士国家試験 第112問
音声障害第28回
正しいのはどれか。
- 1.成人声帯結節は男性に多い。
- 2.喉頭肉芽腫は前交連付近に好発する。
- 3.ラインケ浮腫は喫煙者に多い。 ✓
- 4.声帯ポリープは左右対称の発生が多い。
- 5.声帯溝症では粘膜波動が増大する。
正答:3番
解説
# 第28回 第112問 解説
■ 正答:**3番** — ラインケ浮腫は喫煙者に多い。
**ラインケ浮腫(Reinke浮腫)は声帯固有層(ラインケ層)に漿液が貯留して浮腫状に腫脹する疾患で、最大のリスクファクターは喫煙です。アルコール過剰摂取も関与しますが、喫煙の関連性が最も強く、愛煙家・長年の喫煙者に圧倒的に多く発症します。**
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## 【各選択肢の解説】
### 1. 成人声帯結節は男性に多い。
**❌ 誤り。成人声帯結節は女性に圧倒的に多い(特に40〜60代女性)。**
- 声帯結節は両側中央1/3の声帯自由縁に対称性に発生
- **女性優位の理由**:女性は音声酷使(教師・看護師など)の職業選択率が高く、加えてホルモン変動(特に閉経前後)が粘膜易損傷性を増す
- 小児でも男児>女児ですが、成人では逆転する
### 2. 喉頭肉芽腫は前交連付近に好発する。
**❌ 誤り。喉頭肉芽腫は声帯突起(arytenoid cartilage)直上に好発する。**
- 責任病巣:反回神経麻痺・喉頭外傷・気管内挿管による長期刺激が原因
- 好発部位:**声帯突起直上**(後方寄り)であり前交連ではない
- 前交連付近に好発する病変:**声帯ポリープ**が圧倒的に多い
### 3. ラインケ浮腫は喫煙者に多い。
**✅ 正しい。ラインケ浮腫の最大リスクファクターは喫煙である。**
- 病理:声帯固有層(ラインケ層)への漿液貯留による浮腫
- 臨床特徴:
- 声帯全体が浮腫状に腫脹(びまん性)
- **両側性が多い**(両側に喫煙刺激が同様に及ぶため)
- **低音の粗糙性嗄声**が特徴(声帯が分厚く重くなるため)
- 発話・嚥下困難は通常なし(腫瘍ほど大きくならない)
- GRBAS尺度:R(粗糙性)が目立つ
- 禁煙が最重要。音声訓練で浮腫が軽減すれば手術回避も可能
### 4. 声帯ポリープは左右対称の発生が多い。
**❌ 誤り。声帯ポリープは左右対称でなく、一側性(単発)が大多数である。**
- 特徴:
- **一側性・単発が原則**
- **前交連付近(前1/3)**に好発
- 出血性・やや大きく茎を有する場合が多い
- 発声酷使・外傷・喫煙が原因
- 突然の声がかれて気づかれることも
- 対照:声帯結節は**両側対称**(異なる)
### 5. 声帯溝症では粘膜波動が増大する。
**❌ 誤り。声帯溝症では粘膜波動が減少する。**
- 声帯溝症(vocal fold sulcus):
- 声帯固有層の萎縮により声帯表面に陥凹溝が形成される
- 固有層が薄くなり弾性低下
- 粘膜波動は**著しく減少**(正常の活発な粘膜波動が失われる)
- GRBAS:G