第28回 言語聴覚士国家試験 第77問
音声障害第28回
図に示す手術の適応はどれか。【図あり】
- 1.変声障害
- 2.声帯結節
- 3.声帯麻痺
- 4.胃食道逆流症
- 5.内転型痙攣性発声障害 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 内転型痙攣性発声障害
図に示されているのは、甲状軟骨形成術第II型(開大術)の術式です。
この手術は、甲状軟骨を正中で縦に切開し、その間にチタンブリッジを挟み込んで固定するものです。これにより甲状軟骨を左右に押し広げ、声帯を物理的に少し外側に開大させます。
内転型痙攣性発声障害は、発声時に声帯が過剰に内転(強く閉鎖)してしまい、声が詰まったり、途切れたり、絞り出すような声になる疾患です。この過剰な声帯の接触・閉鎖を機械的に防ぎ、スムーズな発声を促すために、この甲状軟骨形成術第II型が極めて有効な治療法として適応されます。
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【各選択肢の解説】
1. 変声障害(青年期変声障害など)
❌ 誤り。第一選択は音声治療(喉頭の用手圧迫など)です。難治性で外科的治療を検討する場合は、声帯の緊張を緩めて声を低くする甲状軟骨形成術第III型などが適応となります。
2. 声帯結節
❌ 誤り。第一選択は音声治療(声の衛生指導や発声法の改善)です。保存的治療で改善しない場合や早期治癒を望む場合は、喉頭微細手術(マイクロサージェリー)による結節の切除が行われます。
3. 声帯麻痺(反回神経麻痺など)
❌ 誤り。片側麻痺などで声帯の閉鎖不全(気息声や誤嚥)が生じている場合、声帯を内側に寄せて声門を閉鎖しやすくする甲状軟骨形成術第I型や披裂軟骨内転術、あるいは声帯内注入術が適応となります。第II型(開大)とは逆のアプローチです。
4. 胃食道逆流症(GERD / LPRD)
❌ 誤り。胃酸の逆流が原因であるため、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの薬物療法や、食事・生活習慣の改善が基本となります。喉頭の枠組みを手術することはありません。
5. 内転型痙攣性発声障害
✅ 正しい。甲状軟骨形成術第II型(開大術)の主な適応疾患です。
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【試験対策ポイント】
甲状軟骨形成術の種類と適応:
| 術式 | 内容 | 主な適応 |
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| 第I型(内方移動術) | 声帯を内側に寄せる | 声帯麻痺(閉鎖不全) |
| 第II型(開大術) | 声帯を外側に開く | 内転型痙攣性発声障害 |
| 第III型(短縮術) | 声帯を緩めて低くする | 変声障害(声が高すぎる) |
| 第IV型(伸展術) | 声帯を伸ばして高くする | 変声障害(声が低すぎる) |