第23回 言語聴覚士国家試験 第76問
音声障害第23回
音声治療の適応とならないのはどれか。
- 1.声带結節
- 2.声带萎縮
- 3.喉頭肉芽腫
- 4.喉頭白板症 ✓
- 5.声带ポリープ
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 喉頭白板症
喉頭白板症は悪性化のリスクがある前癌病変であり、音声治療では対応できず、耳鼻咽喉科での医学的管理(生検・切除術などの外科的治療や厳重な経過観察)が必須です。音声治療の適応とはなりません。
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【各選択肢の解説】
1. 声帯結節
✅ 正しい。音声酷使による過形成性病変で、音声治療が第一選択です。声帯閉鎖不全改善と音声衛生指導により改善が見込まれます。
2. 声帯萎縮
✅ 正しい。加齢や廃用による声帯筋の萎縮が原因で、音声治療(吸気練習・発声強化運動)が適応です。必要に応じて音声外科治療と併用されます。
3. 喉頭肉芽腫
✅ 正しい。声帯上の反応性肉芽腫で、音声酷使や胃食道逆流症が誘因です。音声治療による音声衛生指導と酷使改善が一次治療として行われます。
4. 喉頭白板症
❌ 誤り。白色病変を呈する前癌病変であり、悪性化リスク(5~10年で約5~15%)があります。生検による確定診断と外科的切除が必須で、音声治療では対応できません。
5. 声帯ポリープ
✅ 正しい。音声酷使や喫煙が誘因の良性病変です。軽症例は音声治療で改善が見込まれ、難治例は音声外科治療が行われます。
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【試験対策ポイント】
音声治療の適応・非適応の判断基準
| 病変の性質 | 例 | 音声治療の適応 |
|---|---|---|
| 過形成性(機能的) | 結節・ポリープ・肉芽腫 | ✅ あり(一次治療) |
| 萎縮性 | 声帯萎縮 | ✅ あり |
| **前癌病変** | **喉頭白板症・紅斑症** | ❌ なし |
| 悪性腫瘍 | 喉頭癌 | ❌ なし |
| 神経性 | 反回神経麻痺 | ✅ あり(部分的) |
喉頭白板症の重要事項
- 定義:6週間以上持続する白色苔状病変で、診断的根拠を持つものを除く
- 悪性化率:約5~15%(特に年配者で高い)
- 必須検査:生検による病理診断(異形成の有無を判定)
- 治療戦略:外科的切除+厳重な経過観察(6~12ヶ月ごとの再検査)
- 音声治療は禁忌(病変を刺激し悪化させるリスク)
音声治療が一次治療となる3つの条件
1. 良性病変である
2. 悪性化リスクがない
3. 機能的改善が見込まれる