第24回 言語聴覚士国家試験 第136問
音声学第24回
下線部の子音の発音が同じ組み合わせはどれか。
a.ちぢむ ― はじめる
b.まなつ ― めがね
c.かす ― かした
d.あんぱん ― あんこ
e.あさひ ― ほんだな
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
# 第24回 第136問 解説
■ 正答:1番 — a,b
この問題は、日本語の表記と実際の発音(音声)の違いを理解しているかを問う音声学の基本問題です。ひらがな表記が異なっていても、下線部の子音が音声学的に同じ音になる組み合わせを選びます。
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【各選択肢の解説】
1. a,b
✅ 正しい。
- a.ち**ぢ**む ― は**じ**める:「ぢ」と「じ」はいずれも[ʑ](または語中で[dʑ])で発音され、現代日本語では音韻的に区別されません(四つ仮名の合流)。よって子音は同じ。
- b.ま**な**つ ― め**が**ね:一見異なるように見えますが、「な」[n]と「が」は語中で鼻濁音[ŋ]となり、いずれも**鼻音**として共通します。※ただし共通語の伝統的発音では鼻濁音[ŋ]が用いられ、[n]と[ŋ]は共に鼻子音である点で分類上同じ扱いとなります。
2. a,e
❌ 誤り。eの「あ**さ**ひ」[s]と「ほ**ん**だな」[n]は子音が全く異なります。
3. b,c
❌ 誤り。cの「か**す**」[s] と「か**し**た」[ɕ]は、前者が歯茎摩擦音、後者が歯茎硬口蓋摩擦音で異なります。「さ行」でも「し」だけは子音が[ɕ]になる点に注意。
4. c,d
❌ 誤り。cは上記の通り不一致。dの「あん**ぱ**ん」[p]と「あん**こ**」[k]も調音点が異なり不一致。
5. d,e
❌ 誤り。上記の通りいずれの組も不一致。
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【試験対策ポイント】
**表記と発音は一致しない**ことを押さえるのが音声学の第一歩です。
- **四つ仮名**:「じ/ぢ」「ず/づ」は現代共通語では区別されず、いずれも[ʑ][dʑ]、[z][dz]で発音される。
- **サ行の例外**:「さ・す・せ・そ」は[s]だが、「し」だけは[ɕ](無声歯茎硬口蓋摩擦音)。同様に「タ行」も「ち」[tɕ]、「つ」[ts]と子音が変わる。
- **ガ行鼻濁音**:語頭以外の「が行」は共通語で[ŋ]となる(例:めがね、かがみ)。鼻音[n][m][ŋ]は仲間。
- **撥音「ん」の同化**:「あんぱん」の「ん」は[m]、「あんこ」の「ん」は[ŋ]、「ほんだな」の「ん」は[n]と、後続子音に調音点を合わせて変化する。
国試では「**表記が同じでも発音が違う**」「**表記が違っても発音が同じ**」というパターンが頻出です。