STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第36問

音声学第25回
口腔内で気流を止めない構音方法はどれか a.両唇鼻音 b.両唇破裂音 c.歯茎弾き音 d.歯茎摩擦音 e.硬口蓋接近音 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.歯茎摩擦音、e.硬口蓋接近音 この問題は「気流を止めない構音方法」を求めています。構音方法の分類では、気流遮断の有無が重要な軸となります。気流を止めない(つまり、どこかで気流が通過している)構音は、摩擦音と接近音です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 両唇鼻音 ❌ 誤り。鼻音は口腔内で気流が「完全に止まり」、気流が鼻腔を通じて鼻から出ます。[m]がこれに該当し、気流遮断がある構音です。 b. 両唇破裂音 ❌ 誤り。破裂音は両唇で気流を完全に遮断し、圧力を高めた後に瞬間的に放出します。[p][b]がこれに該当し、気流遮断がある構音です。 c. 歯茎弾き音 ❌ 誤り。弾き音は舌が歯茎に接触して一度気流を止め、その後瞬間的に離れます。日本語の「ラ行」[ɾ]がこれに該当し、気流遮断がある構音です。 d. 歯茎摩擦音 ✅ 正しい。摩擦音は調音部位を狭めて気流を通しますが、気流を完全に止めません。歯茎摩擦音[s][z]は気流が狭い隙間を通過するため、気流遮断がありません。 e. 硬口蓋接近音 ✅ 正しい。接近音は調音器官が接近しますが接触せず、気流が常に通過します。硬口蓋接近音[j](日本語の「ヤ行」)は気流遮断がない構音です。 --- 【試験対策ポイント】 構音方法の分類表(気流遮断の有無で整理) | 構音方法 | 気流遮断 | 例 | 日本語該当 | |---|---|---|---| | 破裂音 | あり | [p][b][t][d] | パ行、タ行 | | 鼻音 | あり(口腔) | [m][n] | マ行、ナ行 | | 弾き音 | あり(瞬間) | [ɾ] | ラ行 | | 摩擦音 | なし | [s][z][f][v] | サ行、ザ行 | | 接近音 | なし | [j][w] | ヤ行、ワ行 | | 側面音 | なし(側方) | [l] | 英語のL | 重要な否定知識: - 鼻音は「気流が止まる」構音(口腔内では) - 破裂音は気流が「瞬間的に止まる」ことが本質 - 弾き音は「一度接触」するため、気流遮断がある - 摩擦音と接近音は「狭めるが接触しない」「接近するが接触しない」ため、気流が通過する
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