STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第45問

言語学第25回
換喩(メトニミー)、提喩(シネクドキ)のような比喩を用いていないのはどれか a.このご飯はよく炊けている b.これは鉄製の鍋だ c.この伊万里は貴重なものですね d.今日はご飯はパスタよ e.今日夕飯は鍋だ 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b この問題は、換喩(メトニミー)と提喩(シネクドキ)という「関連性に基づく比喩」を用いているかどうかを判定する問題です。換喩と提喩を用いていない文は、言葉が本来の意味で直接的に使用されている文です。 --- 【各選択肢の解説】 a. このご飯はよく炊けている ✅ 比喩を用いていない。「ご飯」は調理した米を指す直接的な意味で、炊き加減について述べる字義通りの表現です。 b. これは鉄製の鍋だ ✅ 比喩を用いていない。物体の材質を直接的に説明する字義通りの表現であり、「鍋」は調理器具としての本来の意味です。 c. この伊万里は貴重なものですね ❌ 提喩(シネクドキ)を用いています。「伊万里」は伊万里焼の産地名から焼き物そのものを指す言葉であり、部分(産地)から全体(焼き物)への拡張、あるいは全体から部分への縮約が成立しています。 d. 今日はご飯はパスタよ ❌ 換喩(メトニミー)を用いています。「ご飯」(食事)と「パスタ」(食べ物の種類)が関連概念として置き換わっており、「ご飯」という語が「食事」の意味に拡張して使われています。 e. 今日夕飯は鍋だ ❌ 換喩(メトニミー)を用いています。「鍋」は調理道具から、その中に入る食べ物や料理そのものを指すように意味が拡張されています。「容器」から「内容物」への関連的意味転換です。 --- 【試験対策ポイント】 換喩(メトニミー)と提喩(シネクドキ)の区別 | 比喩の種類 | 特徴 | 具体例 | |---|---|---| | 換喩 | 隣接・関連する概念を置き換える。「部分↔部分」または「概念↔関連概念」 | 「鍋」=調理器具→食事 / 「ご飯」=食事内容 / 「手」=労働力 | | 提喩 | 上位概念と下位概念、全体と部分を置き換える。包含関係 | 「伊万里」=産地→焼き物 / 「馬」=動物全般 / 「パン」=食べ物全般 | | 比喩を用いない | 言葉を本来の直接的意味で使用 | 状態・特性・物体を字義通りに述べる | 頻出のポイント: - 「ご飯」「鍋」「伊万里」など、日常語として複数の意味を持つ語が出題される傾向 - 「伊万里」は産地名+焼き物という提喩の典型例(国試では特に注意) - c,d,eは全て関連性に基づく意味転換が成立
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