STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第44問

言語学第25回
下線部のうち、刈り込み(「高等学校」が「高校」になるようなプロセス)を経てできたのはどれか a.やった、学割が使える b.今日は温度が低い c.学校へ行くには道路を渡っていく d.海水はしょっぱい e.基地に空母が配置された 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 刈り込み(clipping)とは、語の一部を削除して新しい語を作る言語変化です。「高等学校」→「高校」は後部を削除した例です。本問では、下線部が刈り込みによって形成されたかどうかを判定する必要があります。 --- 【各選択肢の解説】 a. やった、学割が使える ✅ 正しい。「学割」は「学生割引」の前部を刈り込んだもの。「学生」から始まる複合語の後部「割引」を削除して形成されています。 b. 今日は温度が低い ❌ 誤り。「温度」はポルトガル語「temperatura」や中国語の和語化ですが、刈り込みではなく複合語そのものです。「低い」は単純な形容詞で刈り込み産物ではありません。 c. 学校へ行くには道路を渡っていく ❌ 誤り。「学校」「道路」「渡っていく」はいずれも刈り込み産物ではなく、既存の複合語または基本語です。刈り込みプロセスを経ていません。 d. 海水はしょっぱい ❌ 誤り。「海水」は「海」と「水」の複合語で刈り込みではありません。「しょっぱい」も「塩辛い」の変化形ですが、刈り込みではなく音韻変化です。 e. 基地に空母が配置された ✅ 正しい。「空母」は「空母艦」の後部「艦」を刈り込んだもの。「母」が原義(母艦)を残しながら前部削減されています。 --- 【試験対策ポイント】 刈り込み(clipping)の判定チェックリスト ・元の複合語から一部が削除されているか ・削除された結果、新しい独立した語が成立しているか ・例:「学生割引」→「学割」(後部削除)    「空母艦」→「空母」(後部削除) 頻出の刈り込み産物 ・「学割」(学生割引) ・「空母」(空母艦) ・「高校」(高等学校) ・「大学」(大学校)※ただし文脈注意 ・「図書」(図書館)※後部削除型 他の語形成との区別 ・「道路」:複合語だが刈り込みでない ・「しょっぱい」:音韻変化(音便)であって刈り込みでない ・「温度」:外来語・漢語で刈り込みでない
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