STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第37問

音声学第26回
弾き音について正しいのはどれか。
  1. 1.破裂音より閉鎖時間が短い。 ✓
  2. 2.舌と口蓋とが接触しない。
  3. 3.バ行音の子音として用いられる。
  4. 4.後舌母音の前では用いられない。
  5. 5.舌と口蓋とが2回以上接近する。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 破裂音より閉鎖時間が短い。 弾き音とは、舌や唇などの調音器官が短時間だけ相手の器官に接触した後、急速に離れる音です。破裂音は閉鎖位置で呼気を完全に遮断して圧力を高め、一気に放出しますが、弾き音は閉鎖時間がごく短く、破裂音ほど圧力が高まらないという物理的特性があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 破裂音より閉鎖時間が短い。 ✅ 正しい。弾き音は「瞬間的な接触」が特徴で、破裂音の「閉鎖→圧力上昇→放出」という一連の過程と比べると、明らかに接触時間が短い。これが弾き音と破裂音の本質的な違い。 2. 舌と口蓋とが接触しない。 ❌ 誤り。弾き音は舌が口蓋に「接触する」ことで生成される。接触しなければ弾き音自体が成立しない。「接触時間が短い」ことと「接触しない」ことは全く別である。 3. バ行音の子音として用いられる。 ❌ 誤り。バ行音は「破裂音」(/b/)であり、弾き音ではない。弾き音は日本語では「ラ行」(/ɾ/)が典型例。混同しやすいが、バ行は両唇を完全に閉じて圧力を高める破裂音である。 4. 後舌母音の前では用いられない。 ❌ 誤り。弾き音は母音の前後を問わず使用できる。例えば「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」のいずれでも弾き音が使われており、「ロ」は後舌母音。制約はない。 5. 舌と口蓋とが2回以上接近する。 ❌ 誤り。弾き音は1回の短い接触で成立する。2回以上の接近・接触は「流音」や「複数の音」の範疇であり、弾き音の定義に合致しない。 --- 【試験対策ポイント】 弾き音と破裂音の区別: | 特性 | 弾き音 | 破裂音 | |---|---|---| | 閉鎖時間 | 短い | 長い | | 呼気圧力 | 低い | 高い | | 音の特徴 | 瞬間的 | はっきり明確 | | 日本語例 | ラ行(/ɾ/) | パ・バ・タ・ダ行 | | 接触回数 | 1回 | 1回(固いクロージャー) | キーワード: - 弾き音=「短時間の接触」「接触する」「1回の接触」 - 破裂音との最大の違い=「時間」と「圧力」 - 弾き音は日本語で「ラ行」の子音として機能
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