STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第69問

言語発達障害学第26回
文字を音に変換する困難さを評価できるのはどれか。
  1. 1.RAN 課題
  2. 2.音韻意識課題
  3. 3.語彙判断課題
  4. 4.非語音読課題 ✓
  5. 5.単語の書き取り(聴写)課題

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 非語音読課題 非語音読課題は、実在しない造語(例:「くぼぞ」「りんぺ」)を音読させることで、文字を音に変換する能力(音韻変換プロセス)を直接評価できます。実在の語彙知識に頼らず、音韻規則を適用して文字から音へ変換する過程そのものを測定するため、ディスレクシア(読字障害)の中でも特に音韻処理の困難さを識別できます。 --- 【各選択肢の解説】 1. RAN課題 ❌ 誤り。RAN(Rapid Automatized Naming:高速自動命名課題)は、提示された色・形・数字・図などを素早く命名する速度を測定します。音韻変換プロセスではなく、既知情報への自動アクセス速度と命名速度(実行機能)を評価するため、「文字を音に変換する困難さ」とは異なります。 2. 音韻意識課題 ❌ 誤り。音韻意識課題(音の分割・融合・置換など)は、言語音の構造的側面への気づきを評価します。文字と音の対応規則を適用する「音韻変換」ではなく、音そのものへの認識を測定するため、直接的には音韻変換能力を評価できません。 3. 語彙判断課題 ❌ 誤り。語彙判断課題(与えられた文字列が実在する単語か非語か判断させる)は、既知の語彙知識へのアクセス能力を測定します。非語に対する判断を含みますが、実在しない造語を「音読する」のではなく「判断する」ため、音韻変換プロセスの困難さを測定できません。 4. 非語音読課題 ✅ 正しい。非語音読課題は、造語を音読させることで、既存の語彙知識に頼らず、文字から音へ規則的に変換する能力を直接評価します。この過程で音韻変換の困難さが明らかになり、ディスレクシアのうち「音韻型」(グラフェム・フォネム変換の障害)の特定に最適です。 5. 単語の書き取り(聴写)課題 ❌ 誤り。聴写課題は、聴覚的に提示された音声を文字に変換する能力(音から文字への変換)を測定します。これは「文字を音に変換する」逆方向のプロセスであり、質問の「文字を音に変換する困難さ」の評価には該当しません。 --- 【試験対策ポイント】 音韻変換プロセスの評価項目の比較表 | 課題名 | 測定内容 | 評価対象プロセス | ディスレクシア診断での役割 | |---|---|---|---| | 非語音読 | 造語を音読 | 文字→音の規則的変換 | 音韻型の識別 ◎ | | RAN課題 | 既知情報の命名速度 | 自動化・実行機能 | 処理速度の困難さ | | 音韻意識 | 音の分割・融合・置換 | 音構造への気づき | 基盤的音韻能力 | | 語彙判断 | 実在/非実在の判定 | 語彙知識へのアクセス | 語彙経験の評価 | | 聴写課題 | 音声→文字への変換 | 音→文字の規則適用 | スペリング能力 | 重要キーワード - グラフェム・フォネム対応(GPC):文字と音の対応規則を適用するプロセス - ディスレクシア分類:音韻型(非語音読不良)vs 表面型(同音異義語誤読) - 造語の役割:語彙知識をコントロール変数とし
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