STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第67問

言語発達障害学第26回
DSM-5 に記載された限局性学習症/限局性学習障害について誤っているのはどれか。
  1. 1.職業遂行能力が低い。
  2. 2.学業成績が不振である。
  3. 3.読字・書字表出に困難さがある。
  4. 4.高等教育においても支援が必要である。
  5. 5.知的能力の低さが原因である。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 知的能力の低さが原因である。 限局性学習症/限局性学習障害(SLD)は「知的能力の低さが原因ではなく、認知プロセスの特定の領域における障害」です。DSM-5の診断基準では、正常~平均以上の知的能力を有しながらも、読字・書字・算数などの特定の領域に著しい困難が生じることが特徴とされています。つまり、知能と学習成績の不一致が診断の鍵となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 職業遂行能力が低い。 ✅ 正しい。限局性学習症は学業だけでなく職業遂行場面でも支援が必要となる場合が多く、読み書きや計算などの困難が仕事の質や生産性に影響を与えます。 2. 学業成績が不振である。 ✅ 正しい。読字困難(ディスレクシア)、書字表出困難(ディスグラフィア)、算数困難(ディスカリキュリア)など特定領域での学業不振が中核症状です。 3. 読字・書字表出に困難さがある。 ✅ 正しい。限局性学習症の最も典型的な症状であり、DSM-5の診断基準でも「読字困難」「綴字困難」「書字困難」が列挙されています。 4. 高等教育においても支援が必要である。 ✅ 正しい。限局性学習症は発達過程での一過性の問題ではなく、高等教育や職業場面でも継続的な支援が必要とされています。 5. 知的能力の低さが原因である。 ❌ 誤り。限局性学習症は「知能と学習成績の不一致」が診断基準の中心です。知的能力に低下がない(むしろ平均以上の場合も多い)のに、特定の認知領域のみで著しい困難が生じることが特徴です。知的能力の低さに由来する学習困難は「知的発達症(精神遅滞)」に分類されます。 --- 【試験対策ポイント】 限局性学習症の診断基準(DSM-5) | 項目 | 内容 | |---|---| | 知能 | 正常~平均以上(知能低下は原因ではない)| | 学習成績 | 特定領域で著しく不振 | | 発症時期 | 学校教育開始後 | | 支援の必要性 | 学齢期のみならず高等教育・職業場面でも継続 | | 典型的困難 | 読字・綴字・書字・算数などの「特定領域」 | 紛らわしい比較 | 診断 | 原因 | 知能 | 特徴 | |---|---|---|---| | 限局性学習症 | 認知プロセス障害 | 正常以上 | 「特定領域のみ」不振 | | 知的発達症 | 知的能力の低さ | 低下 | 「全般的」不振 | 頻出否定知識 - 「知的能力の低さ」は限局性学習症の原因ではない - 「記憶する能力」は限局性学習症に含まれない領域として扱われることがある - 学童期のみで終わるものではなく、生涯にわたる支援が必要
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