第27回 言語聴覚士国家試験 第10問
精神医学第27回
ペンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用として誤っているのはどれか。
- 1.耐性
- 2.健忘
- 3.依存性
- 4.筋強剛 ✓
- 5.呼吸抑制
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 筋強剛
ペンゾジアゼピン系薬剤は中枢神経抑制作用により多くの副作用をもたらしますが、筋強剛(rigidity)はむしろパーキンソン病などの錐体外路症状であり、ペンゾジアゼピンの副作用ではありません。ペンゾジアゼピンは筋弛緩作用を持つため、逆に筋弛緩が起こります。
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【各選択肢の解説】
1. 耐性
✅ 正しい。ペンゾジアゼピン系薬剤は長期使用により薬効が減弱する耐性が発生します。これは反復投与により受容体の感受性が低下することが機序です。
2. 健忘
✅ 正しい。前向き健忘(薬物投与後の出来事を覚えていない)が典型的な副作用です。特に高用量や長時間作用型で問題になりやすく、高齢者での転倒リスク増加の一因となります。
3. 依存性
✅ 正しい。繰り返し使用により身体的・心理的依存が形成されます。中止時には離脱症状(けいれん、不安、不眠)が起こる可能性があり、減量は緩徐に行う必要があります。
4. 筋強剛
❌ 誤り。筋強剛はパーキンソニズムに伴う錐体外路症状であり、ペンゾジアゼピンの副作用ではありません。むしろペンゾジアゼピンは筋弛緩作用を有するため、筋緊張は低下します。
5. 呼吸抑制
✅ 正しい。特に高用量投与時や他の呼吸抑制薬との併用時に重篤な呼吸抑制が生じる可能性があります。これはペンゾジアゼピンの脳幹呼吸中枢抑制による機序です。
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【試験対策ポイント】
ペンゾジアゼピン系薬剤の主要副作用
| 副作用 | 特徴・臨床的意義 |
|---|---|
| 耐性 | 長期使用で薬効減弱。用量の増加につながる |
| 依存性 | 身体的・心理的依存。中止時に離脱症状 |
| 健忘 | 前向き健忘が典型。高齢者の転倒リスク |
| 筋弛緩 | 錐体外路症状改善に利用される場合も |
| 呼吸抑制 | 高用量・他剤併用時に危険。呼吸器疾患患者で注意 |
| 奇異反応 | 稀に興奮・攻撃性増加(特に小児・高齢者) |
頻出の紛らわしい知識
「筋強剛」が出題される場合、多くはパーキンソン病薬(抗パーキンソン薬)や定型抗精神病薬(ドーパミン遮断)に関連する症状です。ペンゾジアゼピンは逆方向の作用(筋弛緩)を持つため、同じ問題文で「筋強剛」が選択肢にあれば容易に判断できます。