第27回 言語聴覚士国家試験 第136問
音声学第27回
共通語(東京方言)について正しいのはどれか
a.アクセント核のある語とない語がある。
b.複合語はアクセント核を二つ持つ。
c.アクセント核は最も高い拍にある。
d.イントネーションは音の高さによって表される。
e.モーラ拍リズムを持つ。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a,d,e
共通語(東京方言)のアクセント体系は、複数の正しい特徴を持ちます。a「アクセント核のある語とない語がある」は共通語の基本で、フットルール適用語(核なし)と非適用語(核あり)が存在します。d「イントネーションは音の高さによって表される」はイントネーションの定義そのもので正しく、e「モーラ拍リズムを持つ」は日本語が典型的なモーラ言語であることを示しています。一方、b「複合語はアクセント核を二つ持つ」(複合語は核がない場合や一つの場合もある)とc「アクセント核は最も高い拍にある」(アクセント核は最も高い拍の直後=低下開始点)が誤りです。
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【各選択肢の解説】
a. アクセント核のある語とない語がある。
✅ 正しい。共通語は「京都式アクセント」を採用し、一部の語は核を持たず(例:「水」0型)、他の語は特定位置に核を持つ(例:「橋」2型)。フットルール(2音節ごとの強弱パターン)により、核なし語は規則的な高さパターンが出現します。
b. 複合語はアクセント核を二つ持つ。
❌ 誤り。複合語のアクセント核は常に2つではありません。複合要素それぞれが本来のアクセント型を保つ場合もあれば、複合全体で新たな核パターンを形成する場合もあり、核の数は1つ、2つ、またはなし(0型)と可変的です。「東京」「新幹線」など複合語により異なります。
c. アクセント核は最も高い拍にある。
❌ 誤り。アクセント核は「最も高い拍の直後」(=F₀の低下開始点)にあります。核がある位置の直前までが高く、核の直後から低下するため、核自体が最高点ではなく、低下開始点を指します。例えば「雨」(2型)は2拍目に核があり、1→2拍目で上昇、2→3拍目で低下します。
d. イントネーションは音の高さによって表される。
✅ 正しい。イントネーション(句全体や文全体の高さの抑揚パターン)は、基本周波数(F₀)の変動で表現される言語現象です。「肯定文は下降」「疑問文は上昇」など、文の機能や意味を区別する役割を持ちます。
e. モーラ拍リズムを持つ。
✅ 正しい。日本語は典型的なモーラ拍言語で、「あ」「か」「さ」などの単位(モーラ)を基準にリズムを組みます。音節(シラブル)単位の言語(英語など)と異なり、撥音「ん」や長音「ー」も独立したモーラとしてカウントされます。
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【試験対策ポイント】
共通語アクセント体系の整理
| 項目 | 特徴 | 具体例 |
|---|---|---|
| アクセント核の有無 | 有り(型)と無し(0型)が共存 | 「橋」2型(核あり)、「水」0型(核なし) |
| 複合語 | 各要素の原型を保つか、新形成か不定 | 複合方法により異なる |
| アクセント核の位置 | 最高点ではなく「低下開始点」 | 2型なら2拍目の核で2→3で低下 |
| リズム体系 | モーラ拍リズム(音節リズムではない) | 「か」「ん」「ー」各1モーラ |
| イントネーション | 句・文全体のF