第27回 言語聴覚士国家試験 第149問
社会福祉第27回
ICFの説明で正しいのはどれか。
a.すべての人に関わる内容である。
b.活動の否定的側面は機能障害である。
c.ICDの後継分類である。
d.背景因子は主観的因子と客観的因子とからなる。
e.参加は生活・人生場面への関わりのことである。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
ICFは「国際生活機能分類」であり、すべての人が持つ健康と生活機能に関する統一的な分類体系です。活動と参加は両立する概念であり、「参加」は生活・人生場面への関わり(社会的役割遂行)を指します。
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【各選択肢の解説】
a.すべての人に関わる内容である。
✅ 正しい。ICFは「疾病がある人だけの分類」ではなく、全人口を対象とした分類です。障害者だけでなく、健康な人の生活機能まで扱う包括的な枠組みが特徴です。
b.活動の否定的側面は機能障害である。
❌ 誤り。機能障害(インペアメント)と活動制限は異なるレベルの概念です。機能障害は心身機能の喪失で、活動は「できる/できない」ではなく「参加」のための実行能力を指します。活動の困難さは「活動制限」であり、機能障害ではありません。
c.ICDの後継分類である。
❌ 誤り。ICF(国際生活機能分類)とICD(国際疾病分類)は独立した別の分類体系です。ICFはWHOの分類ですが、ICDの「後継」ではなく、むしろ補完関係にあります。ICDは「疾病・障害の原因」、ICFは「生活機能」を扱うという異なる視点を持っています。
d.背景因子は主観的因子と客観的因子とからなる。
❌ 誤り。ICFの背景因子は「環境因子」と「個人因子」から構成されます。「主観的・客観的」という分類ではなく、この二層構造が基本です。個人因子はさらに多次元的な側面を含みます。
e.参加は生活・人生場面への関わりのことである。
✅ 正しい。ICFにおける「参加」(participation)は、生活・人生場面における実際の関わりや社会的役割の遂行を意味します。仕事・学習・余暇活動などの生活領域での実践的な関わりを指す重要な概念です。
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【試験対策ポイント】
ICFの基本構造
| 要素 | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 心身機能 | 身体の機能 | 筋力、呼吸機能 |
| 構造 | 身体の構造 | 筋肉、肺 |
| 活動 | 個人的活動 | 歩く、話す |
| 参加 | 生活場面での関わり | 仕事、学校 |
| 環境因子 | 物理・社会環境 | バリア・促進因子 |
| 個人因子 | 個人的背景 | 年齢、性別 |
頻出の誤解
・「ICFはICDの後継」→違う。相補関係
・「機能障害=活動制限」→違う。異なるレベル
・「背景因子の分類」→主観的/客観的ではなく「環境因子」と「個人因子」
・「参加は社会的役割」→参加の本質。活動と区別することが重要
ICF活用場面での強みは「全人的評価」にあり、医学モデルから生活モデルへの転換を実現しています。