第27回 言語聴覚士国家試験 第177問
機能性構音障害第27回
発声発語器官の運動に関与するのはどれか。
a.嗅神経
b.舌神経
c.舌下神経
d.反回神経
e.大錐体神経
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d(舌下神経、反回神経)
発声発語器官の運動に関与する神経は、舌の運動を支配する舌下神経(CN XII)と喉頭内筋の大部分を支配する反回神経(迷走神経の枝)です。これらの神経系統が損傷すると、構音障害や嗄声が生じます。
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【各選択肢の解説】
a. 嗅神経(CN I)
❌ 誤り。嗅神経は嗅覚機能のみを担当する感覚神経で、発声発語器官の運動に関与しません。
b. 舌神経
❌ 誤り。舌神経は三叉神経(CN V)の第3枝に含まれ、舌前2/3の味覚と口腔粘膜の感覚を担当します。舌の運動支配ではありません。舌の運動は舌下神経が担当します。
c. 舌下神経(CN XII)
✅ 正しい。舌下神経は舌の全ての外舌筋(茎突舌筋・下顎舌骨筋・舌骨舌筋)と内舌筋を支配し、舌の位置付けと動きを制御します。舌の位置は構音に必須です。
d. 反回神経(迷走神経CN X の枝)
✅ 正しい。反回神経は輪状甲状筋を除く全ての喉頭内筋を支配します。声帯の開閉・張力調整に不可欠で、損傷すると気息性嗄声が生じます。
e. 大錐体神経
❌ 誤り。大錐体神経は顔面神経(CN VII)の一部で、涙腺と唾液腺の分泌を支配する副交感神経です。発声発語器官の運動には関与しません。
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【試験対策ポイント】
脳神経と運動支配の整理
| 脳神経 | 番号 | 発声発語との関連 | 機能 |
|---|---|---|---|
| 三叉神経 | V | 感覚のみ | 舌前2/3味覚、顔面感覚 |
| 舌下神経 | XII | 運動 | 舌全体の運動支配(最重要) |
| 反回神経 | CN X枝 | 運動 | 喉頭内筋支配(声帯運動) |
| 顔面神経 | VII | 副交感 | 唾液分泌、表情筋 |
頻出の紛らわしい神経
- 舌神経(感覚)vs 舌下神経(運動):「舌」という名は同じだが機能が全く異なる
- 反回神経の支配筋:輪状甲状筋は上喉頭神経外枝が支配(反回神経は支配しない)
- 一側反回神経麻痺:気息性嗄声、気管には影響なし
- 両側反回神経麻痺:呼吸困難(気道狭窄)