第27回 言語聴覚士国家試験 第176問
音声障害第27回
鼻咽腔閉鎖不全症に伴う所見でないのはどれか
- 1.鼻雑音
- 2.呼気鼻漏出
- 3.アデノイド顔貌 ✓
- 4.ロ腔内圧の低下
- 5.鼻腔共鳴の変化
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — アデノイド顔貌
鼻咽腔閉鎖不全症は、軟口蓋や咽頭側壁の機能不全により鼻咽腔が適切に閉鎖されない状態です。これに伴う所見は鼻腔への空気・唾液の逆流に関連しますが、アデノイド顔貌はアデノイド肥大(鼻咽腔の閉塞)に伴う所見であり、閉鎖不全とは異なる病態です。
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【各選択肢の解説】
1. 鼻雑音
✅ 正しい。鼻咽腔が閉鎖されないため、口腔内の気流が鼻腔に流出し、鼻腔との共振により鼻雑音(hypernasal voice)が生じます。特に鼻音以外の子音で聞かれます。
2. 呼気鼻漏出
✅ 正しい。鼻咽腔の閉鎖機能低下により、口腔から鼻腔への空気漏出が起こります。これにより口腔内圧が維持できず、破裂音や摩擦音の産生が困難になります。
3. アデノイド顔貌
❌ 誤り。アデノイド顔貌(長顔、開口、高口蓋など)はアデノイド肥大による「鼻咽腔の閉塞」に伴う所見です。鼻咽腔閉鎖不全症(開放性)とは逆の病態であり、関連がありません。
4. 口腔内圧の低下
✅ 正しい。呼気が鼻腔に漏出するため、口腔内に適切な圧力が蓄積されず、破裂音などの産生に必要な口腔内圧が低下します。
5. 鼻腔共鳴の変化
✅ 正しい。鼻咽腔が開放しているため、口腔からの音声が異常に鼻腔を共振させ、独特の鼻腔共鳴(nasalization)が生じます。
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【試験対策ポイント】
鼻咽腔閉鎖不全症 vs アデノイド肥大(最頻出の区別問題)
| 病態 | 原因 | 鼻咽腔 | 主な所見 | 顔貌変化 |
|---|---|---|---|---|
| 鼻咽腔閉鎖不全症 | 軟口蓋・側壁の機能低下 | 開放(閉じられない) | 鼻雑音、呼気鼻漏出、口腔内圧低下 | 通常変化なし |
| アデノイド肥大 | リンパ組織増殖 | 閉塞(狭い) | 鼻閉、鼻声、睡眠時無呼吸 | アデノイド顔貌(長顔・開口) |
閉鎖不全症の典型的な声:「パ」「タ」がわかりにくい&鼻にかかった印象
→ 呼気が鼻に逃げるため、口腔内圧が不足して破裂音が弱化