第27回 言語聴覚士国家試験 第78問
機能性構音障害第27回
構音障害の原因とならないのはどれか。
- 1.口唇裂
- 2.溝状舌 ✓
- 3.高度難聴
- 4.粘膜下口蓋裂
- 5.舌小帯短縮症
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 溝状舌
溝状舌は舌の背側に複数の溝が走る解剖学的変異ですが、舌の可動性や形態に大きな機能障害をもたらさず、構音機能に影響しません。一方、選択肢1・3・4・5はいずれも構音器官の形態異常または神経機能障害であり、構音障害の原因となります。
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【各選択肢の解説】
1. 口唇裂
❌ 誤り(構音障害の原因となる)。口唇裂は上唇の解剖学的欠損であり、/p/・/b/・/m/などの両唇音の産生に直接的な影響を与えます。唇の閉鎖不全が生じるため、典型的な構音誤りが現れます。
2. 溝状舌
✅ 正しい(構音障害の原因とならない)。溝状舌は舌背に複数の深い溝が走る状態ですが、舌の可動性や筋力に障害をもたらさず、純粋に美容的な変異です。構音機能には実質的な影響がありません。
3. 高度難聴
❌ 誤り(構音障害の原因となる)。高度難聴は聴覚フィードバックの障害により、自分の音声を適切に聞き取れず、音韻体系の習得と音の自己修正が困難になります。結果として多くの構音誤りが生じます。
4. 粘膜下口蓋裂
❌ 誤り(構音障害の原因となる)。粘膜下口蓋裂は口蓋機能不全を招き、特に鼻腔咽頭閉鎖の不全から鼻音化(開鼻声)や圧力音の構音誤りが生じます。顕性口蓋裂より軽度ですが、明らかな構音障害の原因です。
5. 舌小帯短縮症
❌ 誤り(構音障害の原因となる)。舌小帯短縮症は舌下面の帯が短いため舌先の挙上範囲が制限され、/l/・/t/・/d/などの歯茎音・硬口蓋音の構音誤りが典型的に認められます。
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【試験対策ポイント】
構音障害の原因分類と各疾患
| 分類 | 代表的な原因 |
|---|---|
| 形態異常 | 口唇裂・口蓋裂・粘膜下口蓋裂・舌小帯短縮症・不正咬合 |
| 神経筋障害 | 高度難聴・脳性麻痺(運動障害性構音障害) |
| 解剖学的変異(機能的影響なし) | 溝状舌・舌癌痕跡など |
重要:「機能性構音障害」の定義
- 器質的な形態異常が認められない純粋な音韻体系の習得遅延・誤学習を指す
- ただし本問は「構音障害の原因となるか否か」という広い文脈での出題
紛らわしい知識:舌に関する異常
- 溝状舌:構音機能への影響なし
- 巨舌(ダウン症・粘液水腫など):舌容積増大→構音誤り
- 舌小帯短縮症:舌可動性制限→構音誤り
出題頻度が高い誤答誘引:「舌の形態変化=すべて構音障害」という誤解