STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第78問

機能性構音障害第28回
4歳の男児。「ロボット」を [botto] と言っている。この現象はどれか。
  1. 1.省略
  2. 2.同化
  3. 3.音節脱落 ✓
  4. 4.音位転換
  5. 5.付加

正答:3番

解説
# 第28回 第78問 解説 ■ 正答:3番 — 音節脱落 「ロボット」/robotto/ から第1音節「ロ」/ro/ が脱落し、[botto] となっています。語の一部の**音節がまるごと欠落**しているため、これは音節脱落に該当します。幼児の音韻発達過程でよくみられる単純化現象の一つです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 省略 ❌ 誤り。「省略」は単一の音素(子音や母音)が落ちる現象を指すことが多く、例えば「サカナ」→「アカナ」のように個別音素の欠落を指します。本問は音節単位(子音+母音のまとまり)が欠落しているため、より適切な分類は音節脱落です。 2. 同化 ❌ 誤り。同化はある音が周囲の音の影響を受けて類似した音に変化する現象です。例:「ラッパ」→「パッパ」のように、後続音の影響で先行音が変化するケース。本問は音が変化したのではなく、音節そのものが欠落しているため該当しません。 3. 音節脱落 ✅ 正しい。「ロボット」/robotto/(3モーラ・3音節構造)から先頭の「ロ」/ro/ が完全に欠落し [botto] となっています。**音節単位での欠落**であり、典型的な音節脱落です。幼児の音韻プロセスにおいて、語頭・語中音節の脱落は発達段階でしばしばみられます。 4. 音位転換 ❌ 誤り。音位転換(メタセシス)は音や音節の順序が入れ替わる現象です。例:「エレベーター」→「エベレーター」、「テレビ」→「テベリ」など。本問は順序の入れ替わりではなく欠落なので該当しません。 5. 付加 ❌ 誤り。付加は目標語にない音が加えられる現象です。例:「リンゴ」→「リンゴン」のように音が増える方向の変化。本問は音が減っているため逆の現象であり該当しません。 --- 【試験対策ポイント】 幼児の音韻プロセス(音韻発達過程でみられる単純化現象)は国試頻出。以下を整理して覚えること: | タイプ | 定義 | 例 | |---|---|---| | **音節脱落** | 音節がまるごと欠落 | ロボット→ボット | | **子音省略** | 子音のみ脱落 | サカナ→アカナ | | **置換** | 別の音に置き換わる | サカナ→タカナ | | **同化** | 周囲音に似た音に変化 | ラッパ→パッパ | | **音位転換** | 音・音節の順序入替 | テレビ→テベリ | | **付加** | 不要な音が加わる | リンゴ→リンゴン | 【本問の重要ポイント】 - 「ロボット」→[botto] では**語頭音節「ロ」が脱落**している点に着目 - **音節単位(子音+母音)の欠落=音節脱落**、**単一音素のみの欠落=省略**と区別する - 4〜5歳になっても音節脱落が頻発する場合は、機能性構音障害や音韻障害の評価対象となる - 類似問題では必ず「目標語」と「産出語」のモーラ数・音節構造を比較する習慣をつけること
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