第27回 言語聴覚士国家試験 第29問
心理測定法第27回
SD(semantic differential)法について誤っているのはどれか。
- 1.評定尺度で回答を得る
- 2.多数の形容詞対を用いる
- 3.結果は因子分析で分析される
- 4.ペアごとの類似性を判断させる ✓
- 5.イメージや感情的意味を測定する
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ペアごとの類似性を判断させる
SD法は対象物に対する「イメージや感情的意味」を測定する手法です。被験者は相反する形容詞対(例:「暖かい←→冷たい」)の間に配置された複数段階の評定尺度で評価します。これは「類似性を判断させる」のではなく、「感情的意味の次元上での位置づけ」を行わせるもので、この点が誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 評定尺度で回答を得る
✅ 正しい。SD法は通常5段階または7段階の評定尺度(例:「1=冷たい」「4=どちらともいえない」「7=暖かい」)を用いて回答を得ます。
2. 多数の形容詞対を用いる
✅ 正しい。SD法の特徴は複数の形容詞対(10対~30対程度)を用いることで、対象物に対するより包括的なイメージ測定が可能になります。
3. 結果は因子分析で分析される
✅ 正しい。SD法で得られた複数の評定結果は因子分析によって分析され、通常「評価性(好ましさ)」「力動性(強さ)」「活動性」などの基本因子が抽出されます。
4. ペアごとの類似性を判断させる
❌ 誤り。SD法は「類似性判断」ではなく、「感情的意味の次元上での位置づけ」を行わせます。類似性を判断させるのは多次元尺度法(MDS)であり、SD法と混同しやすい点です。
5. イメージや感情的意味を測定する
✅ 正しい。SD法の本質的な目的は、対象物(人物・製品・概念など)に対する被験者の「心理的な意味」や「イメージ」を定量的に測定することです。
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【試験対策ポイント】
心理測定法の代表手法の区別:
| 手法 | 主な目的 | 応答方法 | 分析方法 |
|---|---|---|---|
| SD法 | イメージ・感情的意味の測定 | 相反形容詞対の評定尺度 | 因子分析 |
| MDS(多次元尺度法) | 刺激間の「類似性」を多次元空間に表現 | ペア間の類似性判断 | 多次元尺度化 |
| 一対比較法 | 複数刺激間の優劣や好意度 | 二つの刺激を比較選択 | Thurstone/Bradley法 |
| Likert法 | 態度測定 | 同意度(5段階など) | 平均値・相関分析 |
重要な区別:
- 「形容詞対の評定」→ SD法
- 「類似性の判断」→ MDS(多次元尺度法)
- 選択肢4は「ペアごとの類似性判断」と明記しており、これはMDSの特徴であり、SD法ではない
SD法の応用例:
- ブランドイメージ測定(製品マーケティング)
- 言語の心理的意味の測定(言語の聴覚的イメージなど)
- 顔や表情に対するイメージ測定