第28回 言語聴覚士国家試験 第29問
心理測定法第28回
記述統計のデータ分析法でないのはどれか。
- 1.データの平均値を算出する。
- 2.データに基づき統計的仮説検定を行う。 ✓
- 3.データの分布をヒストグラムで可視化する。
- 4.データを昇順に並べ替え中央値を求める。
- 5.データをカテゴリーに分け頻度を表で示す。
正答:2番
解説
# 第28回 第29問 解説
■ 正答:**2番** — データに基づき統計的仮説検定を行う。
統計的仮説検定は**推測統計**に属する手法です。記述統計はデータ全体の特性を要約・可視化するものであり、標本から母集団の特性を推測する推測統計とは異なります。
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## 【各選択肢の解説】
**1. データの平均値を算出する。**
✅ 正しい。記述統計。平均値(算術平均)はデータの代表値として最も基本的な要約統計量です。
**2. データに基づき統計的仮説検定を行う。**
❌ 誤り。**推測統計**に分類されます。仮説検定(t検定・χ²検定・ANOVA など)は標本統計量から母集団母数についての仮説を検証する手法であり、データの単純な要約ではなく推論を含みます。
**3. データの分布をヒストグラムで可視化する。**
✅ 正しい。記述統計。度数分布を視覚的に示すグラフ表示法で、データの分布パターン(対称性・歪度・尖度など)を把握できます。他にはドットプロット・箱ひげ図・散布図なども記述統計的な可視化法です。
**4. データを昇順に並べ替え中央値を求める。**
✅ 正しい。記述統計。中央値(メジアン)はデータの代表値。特に外れ値の影響を受けにくいのが平均値との違い。四分位数・十分位数の算出も記述統計に含まれます。
**5. データをカテゴリーに分け頻度を表で示す。**
✅ 正しい。記述統計。度数分布表(カテゴリー別・階級別)の作成はデータの要約と可視化の基本であり、記述統計的手法です。
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## 【試験対策ポイント】
### 記述統計 vs 推測統計の区別(必ず押さえる)
| 統計学の分野 | 目的 | 主な手法 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| **記述統計** | データそのものの特性を要約・可視化 | 平均値・中央値・標準偏差・グラフ作成 | 推論を含まない。母集団全体またはデータすべてを対象 |
| **推測統計** | 標本から母集団の特性を推測 | 仮説検定・信頼区間・回帰分析 | 確率と推論を含む。標本から母集団パラメータを推定 |
### 仮説検定が推測統計に属する理由
- **標本統計量(例:t値)**を計算して、母集団仮説(H₀:μ=μ₀など)と比較する
- **有意水準(α=0.05など)**を用いて「差は偶然か、系統的か」を判断する
- このプロセスは「データから先へ」進む(データの外にある母集団についての主張)
### 国試の頻出パターン
「〇〇は**推測統計**でないのはどれか」という言い換え形式で出題されることもあります。その場合、選択肢に「信頼区間の計算」「標本のばらつきを使った母標準偏差の推定」「p値の算出」が含まれると誘導になるので注意が必要です。
### 言語聴覚士の現場での使い分け
- **臨床評価の記録**:患者の検査スコア・平均値・分布(例:グループ全体の構音明瞭度の分布)→記述統計
- **治療効果の判定**:治療前後で有意差があるか検証(t検定など)→推測統計