第27回 言語聴覚士国家試験 第87問
吃音第27回
吃音・流暢性障害の症状はどれか。
a.構音不明療
b.ジスキネジア
c.聴覚情報処理困難
d.次音への移行困難
e.語頭や語尾での音の繰り返し
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a,d,e
吃音・流暢性障害の症状は、音の繰り返し・延長・ブロックなど、発話の流暢性を阻害する現象です。構音異常ではなく、言語産出の速度や滑らかさの問題が中核です。語頭での繰り返し(「ぼ、ぼ、ぼ」)と次音への移行困難(ブロック)は吃音の典型症状、構音不明瞭も音声変化として認識されるため a,d,e が正答です。
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【各選択肢の解説】
a. 構音不明瞭
✅ 正しい。吃音者が音の繰り返しやブロック時に発話がぶつ切りになるため、結果として構音が不明瞭に聞こえることがあります。ただし、構音器官の器質的異常によるものではなく、吃音の流暢性障害に伴う二次的な現象です。
b. ジスキネジア
❌ 誤り。ジスキネジアは不随意運動で、運動障害性構音障害(例:脳性麻痺、ハンチントン病など)の特徴です。吃音は神経学的な運動異常ではなく、発話の流暢性の問題であり、ジスキネジアは該当しません。
c. 聴覚情報処理困難
❌ 誤り。吃音の本質は聴覚情報処理の障害ではなく、発話産出の流暢性の問題です。聴力検査で異常がなく、聴理解も良好な吃音者が多く、この選択肢は吃音の症状ではありません。
d. 次音への移行困難
✅ 正しい。吃音の「ブロック」がこれに該当します。音声がどこかで引っかかり、次の音へスムーズに移行できない現象で、吃音の典型的症状です。「あ、あ、あ」と繰り返した後に「あ……(沈黙)」と詰まることも含まれます。
e. 語頭や語尾での音の繰り返し
✅ 正しい。「ぼ、ぼ、ぼ」「らら」など、特に語頭での音の反復は吃音の最も顕著な症状です。語尾での繰り返しもまれですが見られることがあり、吃音の診断基準に含まれます。
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【試験対策ポイント】
吃音の3つの中核症状
| 症状 | 説明 |
|---|---|
| 繰り返し(repetition) | 「ぼ、ぼ、ぼ」音の反復。語頭に多い |
| 延長(prolongation) | 「ぼーーー」音を引き伸ばす |
| ブロック(block) | 音声が詰まって出ない、次音への移行困難 |
吃音と紛らわしい障害の鑑別
| 障害 | 特徴 | 吃音との違い |
|---|---|---|
| 構音障害 | 音そのものが誤って産生される | 音は正しく産生されるが流暢性が悪い |
| 運動障害性構音障害 | ジスキネジア・筋緊張低下など神経学的症候 | 神経学的異常なし |
| 聴覚情報処理障害 | 聴力は正常だが理解困難 | 聴理解は通常良好 |
| 言語発達遅滞 | 語彙・文法の遅れ | 言語内容は年齢相応 |
重要な否定知識
- 吃音は「構音器官の器質的異常」ではない
- 吃音は「聴覚障害」ではない
- 吃音は「知的障害」ではない
- ジスキネジアは運動障害性構音障害の症状(吃音に含