第28回 言語聴覚士国家試験 第51問
吃音第28回
流暢性障害の評価で、吃音の指標はどれか。
a.1分間の想起語数
b.音の繰り返し頻度
c.阻止の頻度
d.発話量に対する情報量
e.1発話の長さ
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b.音の繰り返し頻度、c.阻止の頻度
吃音の評価指標は、吃音特有の中核症状である「連発(音の繰り返し)」と「阻止(ブロック)」の頻度を定量的に測定することが基本です。これらは吃音者の流暢性低下を客観的に示す指標であり、治療効果の測定にも直結します。
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【各選択肢の解説】
**a. 1分間の想起語数**
❌ 誤り。これは「語想起の容易性」を評価する指標で、失語症や認知機能障害の評価に用いられるもので、吃音評価には適切ではありません。吃音者であっても想起語数は正常範囲であることがほとんどです。
**b. 音の繰り返し頻度**
✅ 正しい。吃音の中核症状の1つである「連発」(「あ、あ、あの」など同じ音が繰り返される)の発生頻度は、吃音の重症度を直接反映する重要な指標です。治療前後での改善を客観的に測定できます。
**c. 阻止の頻度**
✅ 正しい。吃音の中核症状の1つである「阻止」(「あ…の」と音が出ない状態)の発生頻度も、吃音の重症度を示す指標です。連発とともに吃音の定義的特性であり、評価・治療効果測定の中心となります。
**d. 発話量に対する情報量**
❌ 誤り。これは「効率的なコミュニケーション能力」を評価する指標であり、失語症や構音障害の評価に関連するもので、吃音そのものの評価指標ではありません。吃音者は情報伝達の「質」に問題がなく、「流暢性」の問題です。
**e. 1発話の長さ**
❌ 誤り。一発話の長さは、吃音の有無とは必ずしも相関しません。吃音者も流暢な長文を発話することはできます。むしろ吃音者が短く発話する傾向は「回避行動」であり、吃音そのものの指標ではなく、二次症状です。
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【試験対策ポイント】
**吃音の中核症状と二次症状の区別が必須**
吃音には以下の区分があります:
**中核症状(行動的症状)**
- **連発**:「あ・あ・あの」と同じ音が繰り返される
- **伸発**:「あああああの」と音が引き伸ばされる
- **阻止**:「あ…の」と音が出ない・引っかかった状態
これら3つは吃音者に**ほぼ必ず存在**し、客観的に測定可能であり、吃音の定義的特性です。
**二次症状(二次行動)**
- 回避行動(短く話す・沈黙する・特定の音を避ける)
- 代償運動(首をすくめる・顔をしかめる・手をたたく)
- 情動反応(恥ずかしさ・不安・自信喪失)
発話量や一発話の長さの短縮は、吃音に対する「不安や恐怖からの回避」という**二次行動**であり、吃音そのものの指標ではありません。
**評価に用いる用語**
- **吃音率**(%Syllables Stuttered):吃音のある音節数÷総音節数×100
- **連発頻度**:1分間あたりの連発回数
- **阻止頻度**:1分間あたりの阻止回数
- **持続時間**:1回の吃音が続く秒数
これらを組み合わせることで、吃音の「重症度(Severity)」を客観的に評価します。
**落としやすいポイント**