第27回 言語聴覚士国家試験 第88問
吃音第27回
吃音の間接的訓練でないのはどれか
- 1.吃音緩和法 ✓
- 2.認知再構成法
- 3.マインドフルネス
- 4.エクスポージャー法
- 5.自然で無意識な発話への遡及的アプローチ(RASS)
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 吃音緩和法
吃音緩和法は、吃音症状そのものに直接働きかけて流暢性を改善する直接的訓練です。一方、選択肢2〜5はいずれも吃音に伴う心理的問題(不安・回避行動・認知の歪み)にアプローチする間接的訓練であり、症状軽減を目的とします。
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【各選択肢の解説】
1. 吃音緩和法
✅ 正しい。直接的訓練に分類されます。遅延聴覚フィードバック(DAF)、リズム療法、呼吸コントロール、音声開始技法など、発話技能そのものを改善する技法です。吃音症状を直接的に軽減することが目標です。
2. 認知再構成法
❌ 誤り。間接的訓練です。吃音に対する否定的な認知(「自分は流暢に話せない」「人前で笑われる」)を検討し、バランスの取れた思考に修正することで、不安や回避行動を減らします。
3. マインドフルネス
❌ 誤り。間接的訓練です。吃音に対する過度な反応性を低減させ、現在の瞬間への気づきを高めることで、吃音随伴症状(顔面筋の緊張・姿勢変化)や心理的苦悶を緩和します。
4. エクスポージャー法
❌ 誤り。間接的訓練です。恐怖回避の対象(電話・人前での発話など)に段階的に接近し、回避行動や不安を減弱させます。吃音そのものではなく、吃音に伴う心理的反応が対象です。
5. 自然で無意識な発話への遡及的アプローチ(RASS)
❌ 誤り。間接的訓練です。吃音に対する過度な意識・モニタリングを減らし、自動的・無意識的な発話を回復させるアプローチです。認知・メタ認知的側面にアプローチします。
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【試験対策ポイント】
吃音訓練の分類
| 分類 | 対象者 | 目的 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 直接的訓練 | 全年代 | 吃音症状そのものの改善 | 吃音緩和法、流暢性塑成法 |
| 間接的訓練 | 学童以上・成人 | 心理的問題・回避行動の改善 | 認知再構成、マインドフルネス、エクスポージャー法、RASS |
■ 間接的訓練が有効な理由
吃音症状は改善しなくても、心理的負担や回避行動が減れば、実生活での支障は著しく軽減される。特に成人の吃音では、症状そのものより「吃音に対する反応」が問題になることが多い。
■ RASSの重要ポイント
「吃音を直そうとする意識」自体が悪循環を生む→無意識的な発話の回復を目指す。認知的アプローチに分類される。