第27回 言語聴覚士国家試験 第86問
嚥下障害第27回
嚥下内視鏡検査における正常所見はどれか
a.喉頭流入
b.鼻咽腔逆流
c.早期咽頭流入
d.ホワイトアウト
e.喉頭蓋刺激時の咳
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d.ホワイトアウト、e.喉頭蓋刺激時の咳
嚥下内視鏡検査(VE)における正常所見は、嚥下反射により咽頭部が収縮して視野が一時的に消失する「ホワイトアウト」と、喉頭蓋への食塊接触に伴う正常な防御咳反射です。これら両者の出現は、嚥下機能が適切に働いていることを示す指標になります。
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【各選択肢の解説】
a. 喉頭流入
❌ 誤り。喉頭流入(food entering larynx)は異常所見であり、食塊が声帯下面より下方に進入している状態です。正常では声帯が閉鎖して喉頭への進入を防ぎます。
b. 鼻咽腔逆流
❌ 誤り。鼻咽腔逆流(nasal regurgitation)は異常所見です。正常では軟口蓋が上方に挙上して鼻咽腔を遮断し、咽頭への逆流を防ぎます。
c. 早期咽頭流入
❌ 誤り。早期咽頭流入(early pharyngeal entry)は異常所見で、口腔期のうちに食塊が咽頭腔に流出している状態です。正常では食塊は口腔内に保持されます。
d. ホワイトアウト
✅ 正しい。ホワイトアウト(white-out)は嚥下反射時に咽頭腔が収縮・閉鎖して内視鏡の視野が白く一時的に消失する現象であり、正常な嚥下反射の証拠です。
e. 喉頭蓋刺激時の咳
✅ 正しい。喉頭蓋に食塊が接触したときに咳が出現するのは、誤嚥防止のための正常な防御反応です。この反射が消失していれば嚥下機能低下の指標になります。
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【試験対策ポイント】
VEにおける所見の正常性・異常性の早見表
| 所見 | 正常/異常 | 解釈 |
|---|---|---|
| ホワイトアウト | 正常 | 嚥下反射の証拠。咽頭収縮により視野消失 |
| 喉頭蓋刺激時の咳 | 正常 | 防御反応が機能している |
| 喉頭流入 | 異常 | 声帯閉鎖不全。誤嚥リスク |
| 鼻咽腔逆流 | 異常 | 軟口蓋挙上不全 |
| 早期咽頭流入 | 異常 | 口腔期の食塊保持不全 |
| 食道期の逆流 | 異常 | 食道入口部開大不全など |
重要な否定知識:
・VEで「ホワイトアウト中」は嚥下反射そのものの詳細な観察ができない(この時間に何が起きているかは見えない)
・防御咳反射がない場合→嚥下機能低下の強い指標
・気管切開の有無はVEの正常所見判定に影響しない