STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第139問

音響学第28回
連続スペクトルを持つのはどれか。 a.パルス列 b.純音 c.ホワイトノイズ d.トーンバースト e.のこぎり波 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
# 第28回 第139問 解説 ■ 正答:4番 — c. ホワイトノイズ、d. トーンバースト **連続スペクトル(Continuous Spectrum)とは、周波数領域で**すべての周波数成分がほぼ均等に分布している状態**です。音響学では、スペクトルの性質(線スペクトル vs 連続スペクトル)が周波数分析の基本となるため、この問題は頻出です。** --- 【各選択肢の解説】 **a. パルス列** ❌ **誤り。線スペクトル(離散スペクトル)を持つ** - パルス列は一定の時間間隔Tで繰り返される。基本周波数f₀ = 1/T で規則的な周波数成分のみが現れる - スペクトラムは「くし型」(Comb spectrum):基本周波数とその整数倍音の線スペクトルのみ - 周波数成分は、f₀, 2f₀, 3f₀, … に限定される(歯状に分離) **b. 純音** ❌ **誤り。線スペクトル(1本の線)を持つ** - 単一の周波数成分のみ。例えば440Hzの純音は、周波数領域で440Hzの位置に1本の線が立つだけ - スペクトラムは「単一ライン」:最も狭いスペクトル - 楽器の基本周波数や正弦波発振器の出力が代表例 **c. ホワイトノイズ** ✅ **正しい。典型的な連続スペクトルを持つ** - あらゆる周波数の成分が「ほぼ等しい電力密度」で含まれている - 周波数領域で、低音から高音まで均等に分布した帯状のスペクトラム - 「ザー」というノイズ音が聞こえるのは、全周波数がランダムに重なるため - 白色光がすべての色を均等に含むことからの命名 **d. トーンバースト** ✅ **正しい。連続スペクトルを持つ** - 純音を短い時間窓で切り取った信号(純音 × エンベロープ) - **時間領域で急激な立ち上がり・立ち下がりを持つため**、周波数領域で目的周波数周辺に広がったスペクトル分布が生じる - スペクトラムは「sinc関数型の包絡線」を示す(周波数領域での広がり) - 継続時間が短いほどスペクトルが広い(時間-周波数の不確定性原理) - ABR測定などで用いられる刺激音 **e. のこぎり波** ❌ **誤り。線スペクトル(複合周波数)を持つ** - のこぎり波は周期的な複合音:基本周波数とその全ての整数倍の高調波を含む - スペクトラムは「くし型」:f₀, 2f₀, 3f₀, 4f₀, … に線が並ぶ - 数式的には無限級数の線スペクトル成分の和:y(t) = (A/π)Σ(sin(nωt)/n) - スペクトルの振幅は1/nで減衰する(高調波ほど小さくなる) --- 【試験対策ポイント】 **■ スペクトルの分類の整理** | 信号の種類 | スペクトルの性質 | 周波数領域の見た目 | 時間領域の特徴 | |---|---|---|---| | **純音** | 線スペクトル(単一) | 1本の線 | 正弦波:周期的で滑らか | | **複合周期音** | 線スペクトル(複数) | くし型:基本周波数の整数倍 |
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