STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第146問

言語発達学第28回
学童期の言語発達について正しいのはどれか。 a.聞き手の理解を意識した会話が発達する。 b.慣用句や比喩の理解が発達する。 c.プレリテラシーが発達する。 d.語りに因果関係が含まれるようになる。 e.知識を学ぶための学習言語が発達する。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:2番

解説
# 第28回第146問 解説 ■ 正答:**2番** — a,b,e 学童期(6~12歳)の言語発達は、**聞き手志向性と高次言語能力の著しい発達**を特徴とします。正答のa・b・eはすべてこの時期の中核的な発達であり、c・dはより早期(就学前〜低学年)に獲得される機能です。 --- 【各選択肢の解説】 **a. 聞き手の理解を意識した会話が発達する** ✅ **正しい**。学童期は社会性の発達とともに、聞き手の背景知識や理解度を意識した適切な説明ができるようになります。これを「聞き手志向性」と言い、メタコミュニケーション能力の発達を示しています。例えば、低学年では物語の筋立てを聞き手に無関係に述べますが、学童期には「あのね、知ってた?」などと相手の知識を探りながら語るようになります。 **b. 慣用句や比喩の理解が発達する** ✅ **正しい**。学童期には比喩や慣用句(「目玉焼き」「足が速い」など)の字義以外の意味を理解する能力が急速に発達します。これは**メタ言語能力**(言語そのものを対象にして考える力)の成熟と関連しており、国語学習との相互作用により促進されます。 **c. プレリテラシーが発達する** ❌ **誤り**。プレリテラシー(読み書き前リテラシー)は就学前(3~5歳)の段階で発達する概念です。文字への興味、語呂合わせ遊び、音韻意識などが該当し、学童期にはすでに読み書き能力そのもの(リテラシー)が発達しているため、プレリテラシーの段階にはありません。 **d. 語りに因果関係が含まれるようになる** ❌ **誤り**。因果関係を含む叙述的な物語構造は、**幼児期後期(4~5歳)から小学1年生ごろ**にはすでに出現しています。学童期には因果関係だけでなく、より複雑な時間系列・並列関係・心理的動機づけが統合された物語が作られるようになりますが、「因果関係が含まれるようになる」というのは時期的に早い説明です。 **e. 知識を学ぶための学習言語が発達する** ✅ **正しい**。学童期の重要な特徴は、コミュニケーション機能から**認知的・学習的機能**へのシフトです。教科学習の進行とともに、「~とは」「~という意味は」などの定義的言語、「~ため」「~によって」などの論理的接続、分類・説明・議論といった高次の言語使用能力が発達します。これを「学習言語」「アカデミック言語」と呼びます。 --- 【試験対策ポイント】 **発達段階の明確な区分が頻出**: | 時期 | 言語発達の重点 | 対応する能力 | |---|---|---| | 0~2歳 | 初語・語彙爆発・初文法 | 語彙の急速な増加 | | 2~4歳 | 文法の発達・助詞・時制 | 多語文・簡単な物語 | | 4~6歳(幼児期後期) | **プレリテラシー・メタ言語意識の芽生え** | 因果関係を含む物語・音韻遊び | | 6~12歳(学童期) | **メタ言語能力・学習言語・聞き手志向性** | 文法誤り訂正・複文の理解・説明能力 | | 12歳以上(思春期~) | メタ言語の深化・議論・
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