STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第165問

言語発達学第28回
言語発達を促す話しかけでないのはどれか。
  1. 1.マザリーズ
  2. 2.トイトーク
  3. 3.リキャスト
  4. 4.ミラリング ✓
  5. 5.エキスパンション

正答:4番

解説
# 第28回 第165問 解説 ■ 正答:4番 — ミラリング **マザリーズ・トイトーク・リキャスト・エキスパンションは全て、子どもの言語発達を促進する成人の話しかけ方です。一方、ミラリングは成人が子どもの行動や音声を単に模倣(鏡映)するだけで、言語発達を直接的に促す機能を持たないため、この問題では不適切とされます。** --- 【各選択肢の解説】 1. マザリーズ ✅ 言語発達を促進する話しかけ。乳幼児に向けられる特徴的な音声パターン(高く、ゆっくり、大げさ、短い文)により、子どもの注意を引き言語学習を促す。 2. トイトーク ✅ おもちゃを使った相互作用の中での話しかけ。子どもの遊びに大人が言語入力を提供し、物と言葉を結びつける学習を促進。 3. リキャスト ✅ 子どもの発話を大人が言語的に「言い直す」技法。例:子どもが「ママ、ワンワン」と言った時、大人が「そうね、大きな犬がいるね」と文法的に正しく再構成することで、間接的に言語構造を示す。 4. ミラリング ❌ **言語発達促進効果が限定的またはない**。大人が子どもの行動や音声を鏡映的に繰り返すだけで、新しい言語情報や文法的展開を提供しない。共感を示す心理的機能はあるが、言語発達促進を主目的とした技法ではない。 5. エキスパンション ✅ 言語発達を促進する話しかけ。子どもの短い発話(「わんわん、いた」)を大人が展開・拡張(「そう、大きなわんわんがいたね」)することで、より複雑な文法構造を自然に提示。 --- 【試験対策ポイント】 **言語発達を促進する成人話しかけ技法の区別ポイント**: | 技法名 | 定義 | 機能 | |---|---|---| | マザリーズ | 高く・ゆっくり・大げさなプロソディ | 注意引き・聴取動機づけ | | トイトーク | おもちゃを媒介とした相互作用中の語りかけ | 物と言葉の結びつき・文脈的学習 | | リキャスト | 子ども発話の正確な「言い直し」 | 間接的な文法構造の提示 | | エキスパンション | 子ども発話の「展開・拡張」 | 複雑な文法構造の自然な提示 | | ミラリング | 子ど発話の「繰り返し」模倣 | 共感・感情的絆(言語発達促進効果は限定的) | **頻出のポイント**: - ミラリングと**リキャスト/エキスパンション**の違い:ミラリングは「そのまま繰り返す」が、リキャスト/エキスパンションは「言い直す/展開させる」ため、言語入力の質が異なる - 乳幼児期(0〜2歳)ではマザリーズと共に**ターンテーキング**(受け手がフィードバックを与える相互確認)が成人発話の効果を高める - 本問は「言語発達を促す話しかけ**でない**」という**否定形の出題**に注意。マザリーズ・トイトーク・リキャスト・エキスパンションはいずれも実証的に言語発達の促進効果が報告されているが、ミラリングは単なる模倣として効果が限定的とされている
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