第28回 言語聴覚士国家試験 第145問
言語発達学第28回
初期に獲得されやすい語彙の特徴でないのはどれか。
- 1.養育者が頻繁に使う。
- 2.上位概念を表す。 ✓
- 3.興味関心が高い。
- 4.有用性が高い。
- 5.発音が容易である。
正答:2番
解説
# 第28回 第145問 解説
■ 正答:2番 — 上位概念を表す。
初期に獲得される語彙(初語から200語程度までの時期)は、**具体的で視覚的に認識しやすい「下位概念」**を表す語から習得されます。「動物」よりも「犬」「猫」、「食べ物」よりも「ママ」「わんわん」といった具体物や身近な人物の名前(固有概念)が先に習得されるのが正常発達です。一方、「動物」「乗り物」といった**上位の抽象概念**の習得はより高度な認知能力を要するため、初期語彙の段階では習得されません。
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【各選択肢の解説】
1. 養育者が頻繁に使う。
✅ 正しい。乳幼児は養育者の言語入力を最も多く受けるため、ママ・パパなど頻出語の習得が早い。
2. 上位概念を表す。
❌ **誤り。** 初期語彙は具体的な「下位概念」(特定の物・人)です。抽象的な上位概念(カテゴリー)は学童期以降に発達します。
3. 興味関心が高い。
✅ 正しい。子ども自身が強い関心を持つ対象(おもちゃ・動物など)の名前は、動機づけが高いため習得が容易です。
4. 有用性が高い。
✅ 正しい。「ママ」「欲しい」など、自分の欲求を満たすために機能的に有用な語は優先的に習得されます。
5. 発音が容易である。
✅ 正しい。反復音「ママ」「パパ」など、運動計画が簡潔な語が初語として出現しやすい傾向があります。
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【試験対策ポイント】
**初期語彙習得の5つの要因**:
| 要因 | 習得が促進される語 | 習得が遅延する語 |
|---|---|---|
| 頻出度 | ママ・パパ・わんわん | 稀に使う専門用語 |
| **概念レベル** | **「犬」(下位・具体)** | **「動物」(上位・抽象)** |
| 興味関心 | 好きなおもちゃの名前 | 大人が一方的に推奨する語 |
| 有用性・機能性 | 「欲しい」「ママ」 | 機能性の低い観察対象語 |
| 音韻複雑性 | 「わんわん」「ブーブー」 | 「象」「キリン」 |
**重要:「概念的水準」が国試で狙われやすい**
- 乳幼児期の語彙は**「固有概念」「基本階層概念」中心**(「ママ」「犬」)
- 「動物」「乗り物」などの**「上位概念」の習得は3〜4歳以降**
- **「過大汎用(過剰般化)」**との混同に注意
- 「みかんを見て『りんご』と言う」=範囲が広すぎる(誤分類)
- 「『動物』という概念がない」=上位概念がまだ習得されていない(段階的発達)
国試は「どのレベルの概念がいつ習得されるか」という**発達段階**を問うているため、選択肢2の「上位概念を表す」ことが「初期に獲得されやすい特徴**ではない**」ことを確実に答えられることが重要です。