STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第180問

運動障害性構音障害第28回
失調性構音障害の特徴として正しいのはどれか。
  1. 1.語の反復
  2. 2.声の振戦
  3. 3.断綴性発話 ✓
  4. 4.気息性嗄声
  5. 5.抑揚の単調化

正答:3番

解説
# 第28回 第180問 解説 ■ 正答:3番 — 断綴性発話 失調性構音障害は**小脳病変**に由来する運動障害性構音障害です。小脳の運動制御機能の障害により、発話の**リズムと速度の制御が著しく障害される**ことが最大の特徴です。断綴性発話(スキャニングスピーチ)とは、一音一音が不規則に分断される発話のことを指し、失調性構音障害の**病理的シグネチャー**です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 語の反復 ❌ 誤り。語の反復(パリラリア)は**パーキンソン病などの運動低下性構音障害**に見られる現象です。加速現象として、話す速度が次第に速くなり語や音が反復されます。失調性では「分断」が生じるため、反復ではなく「不規則な速度変化」が特徴です。 2. 声の振戦 ❌ 誤り。声の振戦(voice tremor)は、**本態性振戦**や**パーキンソン病**など基底核系の障害で見られます。低周波(3~7Hz)の音声の振幅変動を示します。失調性構音障害では振戦は目立たず、むしろ不規則で予測不能な音の断裂が特徴です。 3. 断綴性発話 ✅ **正しい**。失調性構音障害の最重要特徴です。小脳の協調機能障害により、音節ごとに不規則な休止が挿入され、まるで「タ・・・イ・プ・・・・・・ラ・イ・タ」のような断続的な発話になります。これはスキャニングスピーチとも呼ばれます。 4. 気息性嗄声 ❌ 誤り。気息性嗄声(breathy voice)は**弛緩性構音障害**(球麻痺:下位運動ニューロン障害)の特徴です。声帯が完全に閉鎖できず気流が漏れるため、息混じりの音声になります。失調性では声帯閉鎖自体には問題がなく、発話のタイミング制御が悪くなるのが本質です。 5. 抑揚の単調化 ❌ 誤り。抑揚の単調化(monopitched voice)は**運動低下性構音障害(パーキンソン病)**の特徴です。基底核系の障害により音声制御が低下し、イントネーション変化がなくなります。失調性では、むしろ**不規則で予測不能な抑揚の変動**が起こります。 --- 【試験対策ポイント】 **Mayo Clinic 6分類における失調性構音障害の位置づけ**: | タイプ | 病巣 | 代表疾患 | 発話の特徴(短文) | |---|---|---|---| | **失調性** | **小脳** | **脊髄小脇変性症(SCD)・小脳梗塞** | **断綴性=「単語が音で分断される」** | | 運動低下性 | 大脳基底核 | パーキンソン病 | 小刻み加速・声量↓・単調化 | | 痙性 | 両側錐体路 | 偽性球麻痺 | 努力性嗄声・速度↓ | | 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 球麻痺 | 気息性嗄声・鼻声・鼻漏気 | | 運動過多性 | 大脳基底核 | ジスキネジア | 突発的な発話中断・音の歪み | | 混合性 | 複数部位 | ALS・多発性硬化症 | 複数タイプの混在 | **失調性構音障害で必ず区別すべき2つ
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