STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第81問

運動障害性構音障害第28回
運動障害性構音障害のうち、oral diadochokinesisで加速現象を認めるのはどれか。
  1. 1.痙性
  2. 2.失調性
  3. 3.運動低下性 ✓
  4. 4.運動過多性
  5. 5.一側性上位運動ニューロン性

正答:3番

解説
# 第28回 第81問 解説 ■ 正答:**3番 — 運動低下性** 運動障害性構音障害の6タイプのうち、**加速現象(acceleration)**は**パーキンソン病などに起因する運動低下性構音障害**に特有です。これはパーキンソン病の「歩行の加速現象」に対応する現象で、開始運動は緩徐ですが、繰り返し運動が段階的に加速するため、oral diadochokinesis(例:「パパパ…」の連続発語)の検査で顕著に認められます。 --- ## 【各選択肢の解説】 **1. 痙性** ❌ 誤り。両側錐体路障害(偽性球麻痺)による痙性構音障害では、筋の過緊張により発話速度は**低下(遅延)**します。加速現象は認められません。むしろ「努力性」で「遅い」が特徴です。 **2. 失調性** ❌ 誤り。小脳障害による失調性構音障害(脊髄小脳変性症など)では、**スキャニングスピーチ(断綴性発話)**と**不規則なアクセント**が特徴です。加速現象は認められず、むしろ音声の制御が不規則になります。 **3. 運動低下性** ✅ **正しい。** パーキンソン病により大脳基底核(特に黒質のドパミン神経脱落)が障害されると、以下の特徴が生じます: - **加速現象**:最初はゆっくり始まるが、連続運動で段階的に加速する(oral diadochokinesis検査で典型的に観察) - 声量低下(息声化) - 単調なイントネーション(平板性) - 音声の小刻み化 **4. 運動過多性** ❌ 誤り。大脳基底核の異常による不随意運動(ジスキネジアなど)では、突発的な発話の中断や音声の歪みが特徴です。加速現象ではなく**不規則で予測困難**な発話パターンを示します。 **5. 一側性上位運動ニューロン性** ❌ 誤り。一側性の錐体路障害では片麻痺に伴う構音障害が生じますが、加速現象は認められません。**左脳損傷で対側下肢に影響するため、口腔構音器官は両側支配されており一側性の影響は限定的**です。 --- ## 【試験対策ポイント】 **Mayo Clinic分類における加速現象の位置づけ** | 障害タイプ | 責任部位 | 代表疾患 | 加速現象の有無 | |---|---|---|---| | 痙性 | 両側錐体路 | 脳梗塞・脳卒中 | ❌ なし。むしろ**遅延** | | 失調性 | 小脳 | ADCA・脊髄小脳変性症 | ❌ なし。**不規則** | | **運動低下性** | **大脳基底核** | **パーキンソン病** | **✅ あり。加速現象** | | 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 球麻痺 | ❌ なし。**筋力低下** | | 運動過多性 | 大脳基底核 | ジスキネジア | ❌ なし。**不随意** | | 混合性 | 複数部位 | ALS | 障害パターンによる | **oral diadochokinesis検査の臨床的意義** - **「パパパ…」「タタタ…」「カカカ…」を数秒間反復**させる検査 - **加速現象**が顕著に観察される→**運動低下性(パーキンソン病)の強い証拠** - 小脳障害では不規
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