第27回 言語聴覚士国家試験 第83問
運動障害性構音障害第27回
誤っている組み合わせはどれか
- 1.横舌筋 ― 舌の下制 ✓
- 2.上縦舌筋 ― 舌尖挙上
- 3.垂直舌筋 ― 舌の平板化
- 4.茎突舌筋 ― 舌の後方移動
- 5.オトガイ舌筋 ― 舌の前方突出
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 横舌筋 ― 舌の下制
横舌筋は舌の側縁を引き上げて舌を狭窄させる筋であり、舌の下制を起こしません。舌の下制は主に舌骨舌筋と顎舌筋が担当します。舌の運動と支援筋の機能を正確に対応させることは、運動障害性構音障害の診断・治療に不可欠です。
---
【各選択肢の解説】
1. 横舌筋 ― 舌の下制
❌ 誤り。横舌筋は舌の側縁を内側に引き寄せて舌を狭窄させる作用があり、舌の下制ではありません。舌の下制は舌骨舌筋と顎舌筋(内舌筋)が担当します。
2. 上縦舌筋 ― 舌尖挙上
✅ 正しい。上縦舌筋は舌尖と舌背を挙上させる働きをします。これは鼻咽腔閉鎖や舌の形態制御に重要です。
3. 垂直舌筋 ― 舌の平板化
✅ 正しい。垂直舌筋は背側から下側へ走行し、収縮すると舌背を押し下げて舌を平板化させます。
4. 茎突舌筋 ― 舌の後方移動
✅ 正しい。茎突舌筋(外舌筋)は舌骨から舌基部に向かって走行し、収縮すると舌全体を後方に引き込みます。
5. オトガイ舌筋 ― 舌の前方突出
✅ 正しい。オトガイ舌筋(外舌筋)は下顎から舌基部に向かい、収縮すると舌を前方に突出させます。舌突出運動の主要筋です。
---
【試験対策ポイント】
舌内筋と舌外筋の主要機能対応表
| 筋肉分類 | 筋肉名 | 主な作用 |
|---|---|---|
| **内舌筋** | 上縦舌筋 | 舌尖・舌背挙上 |
| | 下縦舌筋 | 舌尖・舌背下制 |
| | 横舌筋 | 舌の狭窄(側縁引き上げ) |
| | 垂直舌筋 | 舌の平板化 |
| **外舌筋** | 舌骨舌筋 | 舌の下制・後退 |
| | 顎舌筋 | 舌の下制・挙上補助 |
| | オトガイ舌筋 | 舌の前方突出 |
| | 茎突舌筋 | 舌の後方移動・挙上 |
キーポイント
- 舌の下制:舌骨舌筋・顎舌筋(外舌筋)が担当
- 横舌筋は「狭窄」の筋=下制ではない
- 外舌筋は舌全体の位置移動(前後上下)を担当
- 内舌筋は舌の形態変化を担当
頻出間違いパターン
「舌を動かす=外舌筋」「舌の形を変える=内舌筋」を区別して覚えると本問のような問題に対応できます。