第27回 言語聴覚士国家試験 第82問
運動障害性構音障害第27回
正しい組み合わせはどれか。
- 1.運動過多性構音障害 ― 筋萎縮性側索硬化症
- 2.運動低下性構音障害 ― パーキンソン病 ✓
- 3.痙性構音障害 ― ギラン・バレー症候群
- 4.弛緩性構音障害 ― 脊髄小脳変性症
- 5.失調性構音障害 ― 重症筋無力症
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 運動低下性構音障害 ― パーキンソン病
パーキンソン病は錐体外路系の障害で、運動低下性構音障害を呈します。運動障害性構音障害はMayo分類で5つのカテゴリーに分けられ、疾患ごとの神経学的障害部位と対応させることが試験の重要テーマです。
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【各選択肢の解説】
1. 運動過多性構音障害 ― 筋萎縮性側索硬化症
❌ 誤り。Mayo分類に「運動過多性」という分類は存在しません。ALSは上位・下位運動ニューロン障害を両方呈するため「混合性構音障害」に分類されます(弛緩性+痙性)。
2. 運動低下性構音障害 ― パーキンソン病
✅ 正しい。パーキンソン病は錐体外路系(大脳基底核)の障害であり、運動低下性構音障害を特徴とします。音声は低下し、加速現象や単調・単拍性が見られます。
3. 痙性構音障害 ― ギラン・バレー症候群
❌ 誤り。ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄性疾患で「下位運動ニューロン」障害です。したがって弛緩性構音障害(開鼻声・気息性嗄声)を呈します。痙性構音障害は両側錐体路障害(脳卒中など)で起こります。
4. 弛緩性構音障害 ― 脊髄小脳変性症
❌ 誤り。脊髄小脳変性症は小脳障害であり「失調性構音障害」(断綴性発話・スキャニングスピーチ)を呈します。弛緩性構音障害は下位運動ニューロン障害(球麻痺)で生じます。
5. 失調性構音障害 ― 重症筋無力症
❌ 誤り。重症筋無力症はニューロマスキュラージャンクションの障害で、運動低下性構音障害(の一形態)または弛緩性構音障害に近い特徴を呈します。失調性構音障害は小脳障害の特徴で、重症筋無力症とは病態が異なります。
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【試験対策ポイント】
Mayo分類(運動障害性構音障害の5分類)
| 分類 | 障害部位 | 代表疾患 | 特徴的な構音障害 |
|---|---|---|---|
| 痙性 | 両側錐体路 | 脳卒中(両側)・脳性麻痺 | 努力性嗄声・硬い音質 |
| 弛緩性 | 下位運動ニューロン | ギラン・バレー・顔面神経麻痺・球麻痺 | 開鼻声・気息性嗄声 |
| 失調性 | 小脳 | 脊髄小脳変性症・多発性硬化症 | 断綴性発話・スキャニングスピーチ |
| 運動低下性 | 錐体外路(大脳基底核) | パーキンソン病・ハンチントン病 | 加速現象・単調・低音量 |
| 混合性 | 複数部位 | ALS(上位+下位)・多発性硬化症 | 痙性+弛緩性の両特徴 |
紛らわしい区別のコツ
- 「脊髄小脳変性症は小脳=失調性」(痙性ではない)
- 「ギラン・バレーは末梢神経=弛緩性」(痙性ではない)
- 「重症筋無力症は神経筋接合部=運動低下性に近い」(失調