STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第34問

生涯発達心理学第28回
学童期について正しいのはどれか。 a.いじめの認知件数が2015年頃より減少している。 b.ギャング集団が20年前頃より活発化している。 c.通常の学級において特別な支援が必要なのは約3割である。 d.Erikson, E.による発達課題は勤勉性である。 e.二次的心の理論の理解が可能になる。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
# 第28回 第34問 解説 ■ 正答:**5番** — d,e 学童期(6~12歳頃)の発達的特徴と現代の教育課題について、Eriksonの発達理論と認知発達の側面から統合的に理解する問題です。正答はd(Eriksonの発達課題は勤勉性)とe(二次的心の理論の理解が可能)の両方です。 --- 【各選択肢の解説】 **a. いじめの認知件数が2015年頃より減少している** ❌ **誤り。** 実際には2015年以降、いじめの認知件数は**継続的に増加**しています。2015年以降、全国学力学習状況調査やいじめ対策推進法の施行に伴い、学校現場でのいじめ認知が進み、報告件数は年々増加傾向にあります。認知件数の増加は、いじめの潜在化防止と早期対応体制の強化を反映しています。 **b. ギャング集団が20年前頃より活発化している** ❌ **誤り。** むしろギャング集団の活動は、特に学童期における**減少傾向**にあります。少子化や学校教育の多様化、地域コミュニティの変化に伴い、従来型の「ギャング集団」という形態は社会的に減少しています。 **c. 通常の学級において特別な支援が必要なのは約3割である** ❌ **誤り。** 文部科学省の調査によれば、通常の学級において学習面や生活面で何らかの支援が必要な児童の割合は約**6.5%~7%**(決して30%ではない)とされています。これはLD・ADHD・自閉スペクトラム症などの支援ニーズを持つ児童の割合を示しています。 **d. Erikson, E.による発達課題は勤勉性である** ✅ **正しい。** Erik Eriksonの心理社会的発達理論では、学童期(6~12歳)の発達課題は「**勤勉性(Industriousness)** vs 劣等感」です。この時期の子どもは学習・運動・社会技能の習得に努力し、それらを通じて「できる感」「有能感」を獲得することが発達の核となります。失敗体験が強いと劣等感に陥ります。 **e. 二次的心の理論の理解が可能になる** ✅ **正しい。** 学童期前半~中盤にかけて、子どもは「**二次的心の理論(second-order theory of mind)**」を獲得します。これは「他者が抱いている信念や意図に関する信念」を理解する能力であり、「Aさんは『Bさんが〇〇だと思っていると思っている』」という一段階階層化された他者心理の理解を意味します。この能力により、複雑な対人関係や社会的文脈の理解が飛躍的に進みます。就学前(3~4歳)で獲得される「一次的心の理論」(他者の信念は自分と異なる可能性があることの理解)を土台に、学童期に構築されます。 --- 【試験対策ポイント】 **Eriksonの発達課題の全体像:** | 時期 | 発達課題(肯定的側面 vs 否定的側面) | 獲得される心理的資質 | |---|---|---| | 乳児期(0~1.5歳) | 基本的信頼 vs 不信 | 希望(Hope) | | 早期児童期(1.5~3歳) | 自律性 vs 羞恥心・疑い | 意志(Will) | | 遊戯期(3~6歳) | 積極性・主導性 vs 罪悪感 | 目的(Purpose) | | **学童期(6~12歳)** | **勤勉性 vs 劣等感** |
関連

▶ 第28回 全問一覧

▶ 生涯発達心理学 の過去問一覧