第28回 言語聴覚士国家試験 第59問
失語症第28回
誤っている組合せはどれか。
a.失語症語彙検査 - 失語指数
b.新版失語症構文検査 - 理解ストラテジー
c.WAB失語症検査 - 失語症のタイプ分類
d.SALA 失語症検査 - 言語情報処理モデル
e.重度失語症検査 - コミュニケーションレベル
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
# 第28回 第59問 解説
■ 正答:**2番** — a,e
失語症検査と検査から得られる情報の対応関係を問う問題です。各検査の特徴と目的を正確に把握することが重要です。
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## 各組合せの検討
### a. 失語症語彙検査 - 失語指数 **❌ 誤り**
- **失語症語彙検査**:語彙(理解と表出)に特化した検査
- **失語指数**:複数の言語機能(自発話・理解・復唱・呼称など)を総合的に評価して算出される統合的指標
- **問題点**:語彙検査は部分的な検査であり、失語指数(AQ:Aphasia Quotient)という総合指数は算出しない。失語指数はWABなどの包括的検査から得られるもの
### b. 新版失語症構文検査 - 理解ストラテジー **✅ 正しい**
- **新版失語症構文検査(TAWF)**:文法構造(特に助詞・助動詞など)の理解と表出を評価
- **理解ストラテジー**:患者が言語情報をどのような戦略で処理しているかを分析する重要な観点
- 文法理解の過程を分析することで、**語順依存ストラテジー**(「は>を>に」の語順で理解)など患者の補償戦略が明確になる
### c. WAB失語症検査 - 失語症のタイプ分類 **✅ 正しい**
- **WAB**(Western Aphasia Battery):失語指数(AQ)を算出し、以下の分類が可能:
- Broca失語
- Wernicke失語
- 伝導失語
- 超皮質性失語(運動型・感覚型)
- 全失語
- 命名失語
- 流暢性・復唱・聴理解の3軸からタイプ分類する標準的な検査
### d. SALA失語症検査 - 言語情報処理モデル **✅ 正しい**
- **SALA**(Standard Language Test of Aphasia):言語情報処理の段階(**音声知覚→音韻処理→語彙アクセス→統語処理**など)を反映する構成
- **言語情報処理モデル**:心理言語学に基づいた検査設計。各項目が情報処理の特定段階の障害を評価できるよう設計されている
### e. 重度失語症検査 - コミュニケーションレベル **❌ 誤り**
- **重度失語症検査**:重度失語症患者の言語機能(理解・表出)の詳細評価が目的
- **コミュニケーションレベル**:実生活でのコミュニケーション能力(AACの有効性など)は、むしろ**FCP(失語症患者の機能的コミュニケーション評価)**などで評価される
- **問題点**:重度失語症検査は言語機能そのものの評価が主で、実生活でのコミュニケーション参加度を直接測定するものではない
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## 【試験対策ポイント】
### 失語症検査の分類と役割の整理
| 検査名 | 主な評価内容 | 失語のタイプ分類 | 得られる指数 |
|---|---|---|---|
| **WAB** | 包括的(自発話・理解・復唱・呼称) | ○(6タイプ) | 失語指数(AQ) |
| **SLTA** | 包括的(同上) | ◎(標準的) | 失語指数相当 |
| **失語症語彙検査** | 語彙に特化 | ✗ | 語彙点のみ |
| **TAWF(構文検査)** | 文法理解に特化 | ✗ | 構文理解度 |
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