STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第61問

失語症第28回
重度失語症の訓練として適切でないのはどれか。
  1. 1.PACE
  2. 2.描画
  3. 3.50音表の使用 ✓
  4. 4.ジェスチャーの表出
  5. 5.コミュニケーションノートの使用

正答:3番

解説
# 第28回 第61問 解説 ## 正答:3番 — 50音表の使用 重度失語症において、50音表の使用は**言語的・記号的な操作能力を高度に要求する手段**であり、言語機能そのものが重篤に障害されている重度失語症者には適切ではありません。重度失語症の訓練では、**言語に頼らないコミュニケーション手段**や**実用的で直感的な方法**が優先されるべきです。 --- ## 各選択肢の解説 **1. PACE訓練** ✅ 適切。PACE(Promoting Aphasics' Communicative Effectiveness)は、言語以外の多様なコミュニケーション手段(描画・ジェスチャー・音声・手書き等)を統合的に活用し、実用的なコミュニケーション能力向上を目指します。受け手(臨床家)がフィードバックを通じて情報の正確さを確認するプロセスが重度失語症者に極めて有効です。 **2. 描画** ✅ 適切。描画は言語に頼らない直感的なコミュニケーション手段です。重度失語症者でも簡単な図や形を描くことで意思疎通が可能になることが多く、実用的で取り組みやすい訓練方法です。 **3. 50音表の使用** ❌ 不適切。50音表は**文字符号という言語的な表現体系**に依存しており、音韻処理や文字認識を要求します。重度失語症では多くの場合、こうした高次の言語的操作が著しく障害されているため、50音表を指し示させてコミュニケーションを図ろうとしても、そもそも音韻や文字の理解そのものが困難な場合が多いです。重度失語症には不向きです。 **4. ジェスチャーの表出** ✅ 適切。身振りや手による表現は言語に依存しないコミュニケーション手段であり、重度失語症者でも比較的容易に習得・表出できます。PACE訓練の中核的手段でもあります。 **5. コミュニケーションノートの使用** ✅ 適切。絵カード・写真・文字など多様な手段を一冊に集約したコミュニケーションノート(AAC的ツール)は、重度失語症者の生活場面での実用的なコミュニケーションを直接支援する有用な手段です。 --- ## 試験対策ポイント ### 重度失語症の訓練原則の核心 失語症の重症度と訓練手段の適合性は極めて重要な出題領域です。以下の原則を確実に区別してください: | 訓練手段 | 言語依存度 | 重度失語症への適用 | 根拠 | |---|---|---|---| | **言語中心的訓練**(音読・復唱・単語訓練) | **高い** | ❌ 不向き | 言語機能そのものが障害されているため、言語を媒介とした訓練は無効になりやすい | | **50音表・文字盤の指示** | **高い** | ❌ 不向き | 音韻的・文字的処理能力が重度に低下しており、指し示しすら困難 | | **AAC・非言語的手段**(描画・ジェスチャー・AAC機器) | **低い** | ✅ 適切 | 言語以外の認知機能(視覚的理解・身体運動・図形的認識)を活用 | | **PACE訓練** | **統合的** | ✅ 適切 | 複数の表現形式を柔軟に組み合わせ、実用的コミュニケーション能力を重視 | ### 「50音表」が不適切である理由(頻出パターン) 1. **音韻処理の要求**:50音は音韻体系に基
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