STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第60問

失語症第28回
音韻操作能力の評価を目的とするのはどれか。
  1. 1.語音弁別検査
  2. 2.語彙判断検査
  3. 3.類義語判断検査
  4. 4.単語の復唱検査
  5. 5.モーラ分解・抽出検査 ✓

正答:5番

解説
# 第28回 第60問 解説 ■ 正答:5番 — モーラ分解・抽出検査 **解説** 音韻操作能力とは、音(モーラ)を意識的に認識し、分解・抽出・再構成するメタ言語的能力のことです。モーラ分解・抽出検査は、「カタツムリ」を「カ・タ・ツ・ム・リ」に分ける、または「○番目の音は何か」を答えさせるもので、音韻レベルでの処理を直接評価します。この能力は読み書き能力と深く関連しており、発達性読み書き障害やLD児の評価に不可欠です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 語音弁別検査 ❌ 誤り。2つの音が同じか異なるかを判断させるもので、音韻知覚能力(聴覚的弁別)を評価します。音の操作は伴いません。 2. 語彙判断検査 ❌ 誤り。提示された語が実在する言葉か造語かを判断させるもので、**意味レベルの語彙知識**を評価します。音の操作とは無関係です。 3. 類義語判断検査 ❌ 誤り。「犬と仔犬」「走る/歩く」など、2つの言葉の意味的関係を判断させるもの。**意味理解・語義理解**の評価であり、音韻操作ではありません。 4. 単語の復唱検査 ❌ 誤り。呈示された言葉をそのまま繰り返させるもので、聴理解と音声出力の経路を評価します。音の分解や分析(操作)は要求されません。失語症の復唱能力評価に使われます。 5. モーラ分解・抽出検査 ✅ 正しい。「○○という言葉は何拍(モーラ)ですか」「最初から2番目の音は何ですか」などの課題で、児童が音を意識的に分解・操作する能力を評価します。**音韻意識(phonological awareness)**の中核です。 --- 【試験対策ポイント】 **音韻操作能力 vs その他の言語処理能力** | 評価項目 | 測定する能力 | 関連する脳機能 | ST評価での位置づけ | |---|---|---|---| | **音韻操作能力** | モーラ・音素の分解・抽出・再構成 | 左前頭葉(メタ言語処理) | **読み書き準備期・LD鑑別**に最重要 | | 語音弁別 | 音の聴覚的知覚・弁別 | 上側頭回 | 聴覚的認知レベル | | 意味理解 | 語義・語意の理解 | 側頭葉後下部 | 高次言語理解 | | 復唱 | 聴理解と発話出力の統合 | 弓状束(伝導路) | 失語症評価の中核3項目の1つ | **重要:メタ言語能力の発達段階** - 3〜4歳:単語レベルの単純な操作(初語の抽出:「わたしの名前は『わ』で始まる」) - 4〜5歳:モーラの認識開始(2拍に分ける) - 5〜6歳:モーラの明示的分解が可能 - 小学1年以降:音素レベルの操作開始 **国試で狙われやすい関連知識** - **RAN課題(迅速命名課題)**:音素の自動的な検索・抽出速度を評価。音韻操作能力とは別だが読み書き能力を強く予測 - **LSA(言語学習能力検査)/STRAW**:音声符号化の流暢性を評価。LD児ではRAN遅延や音韻操
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