第28回 言語聴覚士国家試験 第85問
嚥下障害第28回
嚥下食ピラミッドの物性を規定する因子はどれか。
a.味
b.粘度
c.硬さ
d.凝集性
e.付着性
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:5番
解説
# 第28回 第85問 解説
■ 正答:5番 — c.硬さ、d.凝集性、e.付着性
嚥下食ピラミッドの物性を規定する因子は、**硬さ・凝集性・付着性**の3つです。これらは食物の機械的・物理的性質であり、嚥下時の安全性と効率に直結する要因です。一方、味や香りは嚥下機能に直接の影響を与えないため除外されます。
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【各選択肢の解説】
**a. 味**
❌ 誤り。味覚は嚥下食の物性を規定しません。味は栄養摂取の満足度や食事療法の継続性には関わりますが、嚥下時の食塊形成・咽頭通過・食道入口部での停滞などの機械的な嚥下動態に影響しません。
**b. 粘度**
❌ 誤り。粘度は重要な物理的特性ですが、嚥下食ピラミッドの主要な分類因子としては一次的ではなく、正確には**粘度は「硬さ・凝集性・付着性」の3因子が定まった後の副次的な調整因子**として位置付けられます。すなわち「嚥下食ピラミッド」の段階分けの根拠そのものは3因子です。
**c. 硬さ(かたさ)**
✅ 正しい。硬さは食物がどの程度の力で破壊・咀嚼可能かを示す重要な物性因子です。硬すぎる食物は嚥下困難者にとって危険です。嚥下食ピラミッドではこれを段階的に制御します。
**d. 凝集性**
✅ 正しい。凝集性は食物粒子が互いに結合する力を示します。凝集性が低いと「ボロボロ崩れ」て誤嚥のリスクが高まり、高すぎると咀嚼・嚥下時に食塊形成が困難になります。
**e. 付着性**
✅ 正しい。付着性は食物が口腔内や咽頭粘膜に付着しやすい程度を示します。過度な付着性は舌による送り込みを困難にし、嚥下後の残留のリスクを高めます。
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【試験対策ポイント】
**嚥下食ピラミッドの基礎知識**
嚥下食ピラミッドは2013年に日本摂食・嚥下リハビリテーション学会が発表した標準化された食形態分類です。その基盤をなす「3つの物性因子」を確実に押さえることが出題の核です:
| 因子 | 嚥下への意味 | 制御方法 |
|---|---|---|
| **硬さ** | 咀嚼必要性 | ペースト化・ミキサー食・刻み |
| **凝集性** | 食塊形成の容易さ | とろみ付加・結着剤使用 |
| **付着性** | 粘膜への残留性 | 水分調整・油脂添加 |
**よくある誤解**
- 「粘度も物性規定因子ではないか?」→ ✗ 粘度は確かに重要ですが、**ピラミッドの段階分けの基本因子ではなく**、むしろ「硬さ・凝集性・付着性」が定まった後に「とろみをつけるか」「液状にするか」といった**調整因子**です。
- 「味は嚥下機能に関係ないのか?」→ ✓ 味覚刺激は嚥下反射誘発を促進しますが、「物性を規定する」という物理的性質の観点からは関係が薄いため除外です。
**国試頻出パターン**
- 「〇〇因子は