第28回 言語聴覚士国家試験 第116問
嚥下障害第28回
口腔ケアについて誤っているのはどれか。
- 1.施行時には十分な感染予防対策を行う必要がある。
- 2.誤嚥性肺炎の予防に効果がある。
- 3.ベッド上で行う場合は頸部が後屈する姿勢をとる。 ✓
- 4.片麻痺がある患者でベッド上で行う場合は麻痺側を上にして行う。
- 5.清掃面を強調した口腔ケアと機能面を強調した口腔ケアとに大別される。
正答:3番
解説
# 第28回 第116問 解説
■ 正答:**3番** — ベッド上で行う場合は頸部が後屈する姿勢をとる
口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防に有効であり、感染予防と正しい姿勢が不可欠です。本問は「頸部の姿勢」に関する誤りを問うています。ベッド上での口腔ケア時に頸部を**後屈させてはいけません**。正しくは**前屈(下顎を胸に近づける)** が原則です。これにより口腔内の液体が咽頭に流れ込むのを防ぎ、誤嚥を予防できます。
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【各選択肢の解説】
**1. 施行時には十分な感染予防対策を行う必要がある**
✅ 正しい。口腔内には多くの微生物が存在し、唾液を含む体液との接触があるため、スタンダードプレコーション(PPE:手袋・マスク・ガウン等)を必須とします。
**2. 誤嚥性肺炎の予防に効果がある**
✅ 正しい。口腔内の細菌増殖を抑制することで、誤嚥時に肺へ送り込まれる菌量を減らします。**口腔ケア群と非実施群の誤嚥性肺炎発症率は有意に異なります**。
**3. ベッド上で行う場合は頸部が後屈する姿勢をとる**
❌ **誤り。この記述が正答の根拠**です。ベッド上での口腔ケアは:
- 患者の頭部を **側臥位**(横向き)または **半座位で前屈** とします
- 頸部を後屈させると、口腔内の唾液・洗浄液が咽頭~喉頭へ流れやすくなり誤嚥のリスクが大幅に上昇します
- 下顎を胸部に近づけるポジションにより **喉頭蓋が自動的に前下方に傾き** 下気道を保護します
**4. 片麻痺がある患者でベッド上で行う場合は麻痺側を上にして行う**
✅ 正しい。片麻痺側を上(上側臥位)とすることで:
- 健側の手で操作しやすくなる(利き手が活用できる)
- 麻痺側の口角からの液体流出を防ぐことができます
**5. 清掃面を強調した口腔ケアと機能面を強調した口腔ケアとに大別される**
✅ 正しい。
- **清掃型口腔ケア**:ブラッシング・吸引等で口腔内衛生を維持し誤嚥性肺炎を予防(主に鎮静下や意識障害患者向け)
- **機能型口腔ケア**:口腔・舌・頬の運動訓練を通じ摂食嚥下機能を維持・向上(自発的な協力が得られる患者向け)
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【試験対策ポイント】
**口腔ケア時の安全姿勢を確実に覚える:**
| 状況 | 推奨姿勢 | ポイント |
|---|---|---|
| ベッド上(一般) | 側臥位または半座位で前屈 | **頸部は「後屈厳禁」** |
| 片麻痺患者 | 麻痺側が上側臥位 | 健側で操作&麻痺側の液体流出防止 |
| 座位取得可能者 | 前傾姿勢でうがい受け | 重力を活用した液体の流出 |
**誤嚥リスクの基本原理:**
- 頸部後屈→喉頭蓋が開く→気道が露出→誤嚥リ