STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第182問

嚥下障害第28回
嚥下内視鏡検査で評価できるのはどれか。 a.口腔内病変 b.鼻咽腔逆流 c.早期咽頭流入 d.咽頭クリアランス e.胃食道逆流 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:4番

解説
# 第28回 第182問 解説 ■ 正答:4番 — **b.鼻咽腔逆流、c.早期咽頭流入、d.咽頭クリアランス** 嚥下内視鏡検査(VE/FEES)はベッドサイドで実施でき、嚥下に伴う咽頭の直接観察を特徴とします。本問は「VEで直接観察・評価できる現象」と「VEの視野・検査原理の限界」を問う重要問題です。正答の3つは**咽頭食道レベルの検査が得意な領域**で、誤答選択肢は**検査原理上VEでは評価不可**です。 --- 【各選択肢の解説】 **a. 口腔内病変** ❌ 誤り。VEのスコープ挿入位置は鼻腔→咽頭なため、口腔(舌・口蓋・歯肉など)は観察対象外です。口腔病変の評価には**視診・触診・口腔内カメラ**が適切です。 **b. 鼻咽腔逆流** ✅ 正しい。VEで直接観察可能です。食塊が嚥下後に**咽頭から鼻咽腔に逆流する現象**を咽頭側からリアルタイムで視認できます。**軟口蓋挙上不全・鼻咽腔閉鎖不全(VPI)**の診断根拠になります。 **c. 早期咽頭流入** ✅ 正しい。嚥下時に**食塊が咽頭に到達した時点の様子**をVEで直接観察できます。嚥下反射発現前に食塊が咽頭に流入していないかを評価でき、「嚥下前誤嚥」の検出につながります。 **d. 咽頭クリアランス** ✅ 正しい。梨状陥凹・声門下・咽頭食道接合部付近の**嚥下後の食塊残留の有無と量を直接視認**できます。複数回嚥下やクリアランス訓練の効果測定に活用されます。 **e. 胃食道逆流** ❌ 誤り。VEのスコープは咽頭までで、**食道・胃には到達しません**。「ホワイトアウト(嚥下時に咽頭が狭くなり視野が一瞬失われる現象)」のため嚥下反射の瞬間の声門閉鎖状況も直接観察困難です。胃食道逆流の診断には**上部消化管内視鏡・食道pH測定**が必要です。 --- 【試験対策ポイント】 **VEとVF(嚥下造影)の検査能の比較表**: | 評価項目 | VE(嚥下内視鏡) | VF(嚥下造影) | |---|---|---| | 口腔内の動態 | ✗不可 | ○可 | | 鼻咽腔逆流 | ○**直接観察** | ○造影剤で確認 | | 早期咽頭流入 | ○**直接観察** | ○造影剤で確認 | | 咽頭クリアランス | ○**直接観察** | ○造影剤で確認 | | 喉頭挙上・舌骨運動 | △限定的 | ○**側面・正面動態** | | 咽頭食道入口部(UES)開大 | △困難 | ○**ダイナミクスを評価** | | 食道内の動態 | ✗不可(到達不可) | ○可 | | 胃食道逆流 | ✗不可 | △一部評価可 | | 被曝 | ✓なし | ✗あり | **VEで「ホワイトアウト」が起きる理由**:
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