第28回 言語聴覚士国家試験 第90問
小児聴覚障害第28回
新生児の聴性行動でみられるのはどれか。
a.モロー反射
b.パラシュート反射
c.手掌把握反射
d.覚醒反射
e.眼瞼反射
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a, d, e
新生児の「聴性行動」とは、音刺激(聴覚刺激)に対して生じる反応のことです。選択肢のうち聴覚刺激によって誘発されるのは a・d・e の3つです。
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【各選択肢の解説】
1. a. モロー反射
✅ 正しい。急な大きな音(聴覚刺激)や姿勢の急変によって誘発される驚愕反応です。両腕を外側に広げ、その後抱きつくような動作を示します。生後3〜4か月頃に消失する原始反射で、新生児期から確認できます。**聴性驚愕反射(ASR)** としても知られ、聴性行動の代表例です。
2. b. パラシュート反射
❌ 誤り。体を前方・側方に急に傾けたときに両手を前方に伸ばす保護伸展反射です。**生後8〜9か月頃から出現**するため、新生児期にはみられません。また姿勢変化(前庭・視覚・固有受容覚)への反応であり、聴覚とは無関係です。
3. c. 手掌把握反射
❌ 誤り。手のひらに指などが触れると強く握りしめる原始反射です。**触覚・圧覚への反応**であり、聴覚刺激とは無関係です。生後3〜4か月頃に消失します。
4. d. 覚醒反射
✅ 正しい。睡眠中の新生児に音刺激を与えると、覚醒・手足の動き・呼吸リズムの変化などの反応が生じます(聴性覚醒反射)。新生児聴覚スクリーニングの行動観察法でも確認される代表的な聴性行動です。
5. e. 眼瞼反射(聴性眼瞼反射:APR)
✅ 正しい。急な大きな音刺激に対してまぶたを強く閉じる(ビクッとまばたきする)反射です。**Auditory Palpebral Reflex(APR)** とも呼ばれ、新生児期から確認できる代表的な聴性行動の一つです。
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【試験対策ポイント】
**「聴性行動」とは音刺激に起因する反応**であることが判断の核心です。
| 反射・反応 | 刺激の種類 | 新生児期の有無 |
|---|---|---|
| モロー反射(a) | 音・姿勢変化(聴覚) | あり |
| パラシュート反射(b) | 姿勢変化(前庭・視覚) | **なし(8〜9か月〜)** |
| 手掌把握反射(c) | 触覚・圧覚 | あり(聴覚とは無関係) |
| 覚醒反射(d) | 音(聴覚) | あり |
| 眼瞼反射・APR(e) | 音(聴覚) | あり |
誤答しやすいポイント:
- **モロー反射**は「姿勢変化だけの反応」と思いがちですが、**大きな音でも誘発される**ことを押さえましょう。
- **手掌把握反射**は新生児期にみられますが、**聴覚とは無関係**なため「聴性行動」には該当しません。
- **パラシュート反射**は消失ではなく「出現が遅い」反射であり、新生児にはまだみられません。
新生児聴覚スクリーニングで行動観察を行う際、覚醒反射・眼瞼反射・モロー反射は実際に観察の対象となります。