第28回 言語聴覚士国家試験 第189問
小児聴覚障害第28回
伝音難聴をきたすのはどれか。
a.ペンドレッド症候群
b.アルポート症候群
c.トリーチャー・コリンズ症候群
d.ファン・デル・ヘーベ (van der Hoeve)症候群
e.ワールデンブルグ症候群
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
# 第28回 第189問 解説
■ 正答:**4番 — c,d(トリーチャー・コリンズ症候群、ファン・デル・ヘーベ症候群)**
伝音難聴をきたす症候群は、**中耳・耳小骨など導音系に異常がある**ものです。本問では5つの遺伝性症候群から伝音難聴の原因を鑑別する必要があります。重要なのは各症候群の病態で、「感音難聴 vs 伝音難聴」の区別です。
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## 【各選択肢の解説】
**a. ペンドレッド症候群**
❌ 誤り。**甲状腺ホルモン合成酵素パーオキシダーゼの遺伝子変異**が原因で、内耳奇形(特に大前庭水管拡大症:LVAS)を伴い**感音難聴(進行性)**を呈します。甲状腺腫も特徴。伝音難聴ではありません。
**b. アルポート症候群**
❌ 誤り。Ⅳ型コラーゲンの異常により腎糸球体・眼・内耳に病変を生じます。**内耳有毛細胞(特に外有毛細胞)の変性**により**感音難聴(高音障害・進行性)**が生じます。伝音難聴ではありません。
**c. トリーチャー・コリンズ症候群**
✅ 正しい。**TCOF1遺伝子変異**による常染色体優性遺伝。顔面骨格奇形(頸骨小形症・耳介低形成・下顎低形成・小舌症)を特徴とし、**耳小骨の奇形・中耳腔の狭小化**により**伝音難聴**を呈します。顔面の左右対称な奇形が特徴。知的障害はありません。
**d. ファン・デル・ヘーベ症候群**
✅ 正しい。**OI(骨形成不全症)の型I~IV**。Ⅰ型コラーゲン異常により骨脆弱性が生じ、同時に**耳小骨(とりわけアブミ骨)の異常硬化(otosclerosis)**が発生し、**伝音難聴**をきたします。白色強膜・歯質異常・易出血性も伴います。
**e. ワールデンブルグ症候群**
❌ 誤り。PAX3遺伝子など複数遺伝子の変異。虹彩多色症・白毛束・鼻根部が広い等の色素異常と、**内耳の発生異常(迷路低形成・前庭水管拡大など)**により**感音難聴**をきたします。伝音難聴ではありません。
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## 【試験対策ポイント】
### ■ 5つの症候群の比較表(必暗記)
| 症候群 | 遺伝子 | 原因病態 | **難聴の型** | その他の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| **ペンドレッド** | PDS | 甲状腺ホルモム合成酵素欠損+LVAS | **感音難聴(進行性)** | 甲状腺腫・大前庭水管拡大 |
| **アルポート** | COL4A3 | Ⅳ型コラーゲン異常(腎・眼・内耳) | **感音難聴(進行性)** | 血尿・眼症状(角膜混濁・網膜裂孔) |
| **トリーチャー・コリンズ** | TCOF1 | 顔面骨格の低形成 | **伝音難聴** | 頸骨小形症・耳介低形成・下顎低形成・知的障害なし |
| **ファン・デル