第28回 言語聴覚士国家試験 第100問
小児聴覚障害第28回
盲ろう者について正しいのはどれか。
- 1.人工聴覚器の適応から除外されている。
- 2.盲ろうは法律で規定されている。
- 3.聴覚機能検査は通常より時間を長めに確保する。 ✓
- 4.盲ベースの点字習熟者は指点字の習熟が容易である。
- 5.ろうベースの手話熟達者は短期間で触手話使用者となる。
正答:3番
解説
# 第28回 第100問 解説
■ 正答:3番 — 聴覚機能検査は通常より時間を長めに確保する。
盲ろう者(視覚と聴覚の両方に障害がある者)の聴覚検査では、視覚情報が利用できないため検査手順の説明や指示の伝達に工夫が必要です。触覚や残存感覚を用いた説明、コミュニケーション手段の調整、検査機器への慣れなどに時間を要するため、通常の聴覚検査よりも時間を長めに確保することが標準的な配慮となります。
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【各選択肢の解説】
1. 人工聴覚器の適応から除外されている。
❌ 誤り。盲ろう者であっても、聴覚障害の程度が適応基準に合致すれば補聴器や人工内耳の対象となります。視覚が使えない分、聴覚からの情報保障はむしろ重要であり、積極的に適応が検討されます。
2. 盲ろうは法律で規定されている。
❌ 誤り。身体障害者福祉法では「視覚障害」と「聴覚障害」がそれぞれ規定されていますが、「盲ろう」という独立した障害区分は法律上定義されていません。身体障害者手帳では視覚障害と聴覚障害の重複として認定されます。
3. 聴覚機能検査は通常より時間を長めに確保する。
✅ 正しい。視覚による指示提示ができないため、検査手順の触覚的・言語的説明、応答方法の練習、コミュニケーション手段の確認などに時間を要します。受検者の不安軽減のためにも、余裕を持った時間設定が必要です。
4. 盲ベースの点字習熟者は指点字の習熟が容易である。
❌ 誤り。一般的には**盲ベース(先天盲+後天ろう)の点字習熟者は指点字の習得が比較的容易**とされますが、この選択肢が誤答とされているのは、個人差が大きく「容易」と一般化できないこと、あるいは盲ろうになった時期や年齢によって習熟度が大きく異なるためと考えられます。
5. ろうベースの手話熟達者は短期間で触手話使用者となる。
❌ 誤り。手話を熟達していても、視覚による読み取りから触覚による読み取りへの転換には時間を要します。手の動き・位置・形を触覚のみで識別する必要があり、「短期間で」習得できるわけではありません。
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【試験対策ポイント】
**盲ろう者のコミュニケーション手段**は、障害の受障順序によって適した方法が異なる点が頻出です。
| 受障パターン | 主なコミュニケーション手段 |
|---|---|
| **盲ベース**(先に視覚障害→後に聴覚障害) | 点字・**指点字**・音声(残存聴力活用) |
| **ろうベース**(先に聴覚障害→後に視覚障害) | 手話・**触手話**・弱視手話・指文字 |
| 先天性盲ろう | 身振り・サイン・オブジェクトキュー |
**押さえるべきポイント**
- 盲ろうは法律上の独立した障害区分ではない(視覚+聴覚の重複認定)
- 人工内耳・補聴器は適応から除外されない
- 聴覚検査は時間を長めに、触覚的手がかりを活用
- コミュニケーション手段の転換(視覚→触覚)には相応の訓練期間が必要