第28回 言語聴覚士国家試験 第94問
聴力検査第28回
ティンパノグラムがB型を示す疾患はどれか。
a.耳硬化症
b.耳小骨連鎖離断
c.耳管狭窄症
d.滲出性中耳炎
e.癒着性中耳炎
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
# 第28回 第94問 解説
■ 正答:**5番 — d.滲出性中耳炎、e.癒着性中耳炎**
ティンパノグラムB型は**中耳腔内に液体が貯留している、または鼓膜の可動性が極度に低下している**状態で示されます。滲出性中耳炎と癒着性中耳炎はいずれも鼓膜の可動性が著しく悪化し、典型的なB型パターンを呈します。
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## 【各選択肢の解説】
**a. 耳硬化症**
❌ 誤り。耳硬化症は**アブミ骨の固着**による伝音難聴ですが、中耳腔内には液体がなく、鼓膜自体の可動性は保たれています。ティンパノグラムは**A型(正常パターン)** または **As型(コンプライアンスが低下した浅いA型)** を示します。
**b. 耳小骨連鎖離断**
❌ 誤り。耳小骨連鎖が離断すると、耳小骨系全体の質量が低下し**コンプライアンス(鼓膜+中耳腔の可動性)が著しく高くなります**。ティンパノグラムは **Ad型(高いピーク)** を示します。B型ではなく、むしろA型の亜型です。
**c. 耳管狭窄症**
❌ 誤り。耳管狭窄症では中耳腔内の圧が低下して負圧になりますが、液体貯留は伴いません。ティンパノグラムは **C型(ピークが負圧側へシフト)** を示します。B型ではありません。
**d. 滲出性中耳炎**
✅ 正しい。中耳腔内に**漿液性または粘液性の液体が貯留**する疾患です。液体により鼓膜の可動性が完全に失われ、ティンパノグラムは**B型(フラットで低いプラトー)** を呈します。小児に多く、上気道炎後や耳管機能不全が原因。発熱を伴わないのが特徴です。
**e. 癒着性中耳炎**
✅ 正しい。かつての急性中耳炎や反復性の感染により、**鼓膜が中耳腔の側壁に癒着**する疾患です。鼓膜の可動性が極度に低下し、ティンパノグラムは **B型** を示します。
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## 【ティンパノグラムの分類(重要)】
| 型 | 責任病変 | 具体的疾患 | 臨床的特徴 |
|---|---|---|---|
| **A型** | 正常 | 正常耳 | 鼓膜・中耳が正常に機能 |
| **As型** | 高い音響インピーダンス | 耳硬化症・耳骨固着 | ピークが低く・狭い(s=shallow) |
| **Ad型** | 低い音響インピーダンス | 耳小骨連鎖離断・アブミ骨筋麻痺 | ピークが高い(d=deep) |
| **B型** | 鼓膜可動性消失 | 滲出性中耳炎・癒着性中耳炎・鼓膜穿孔 | フラット・プラトー状(液体貯留or固着) |
| **C型** | 中耳腔の負圧 | 耳管狭窄症・耳管機能不全 | ピークが負圧側(左側)へシフト |
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## 【試験対策ポイント】
### **ティンパノグラムB型を確実に判別するコツ**
1. **「液体貯留」と「可動性の完全な喪失」** → B型の2大特徴
- 滲出性中