STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第89問

聴力検査第27回
誤っている組合せはどれか。
  1. 1.GJB2遺伝子変異 ― 難聴の急性憎悪 ✓
  2. 2.アッシャー症候群 ― 網膜色素変性症
  3. 3.SLC26A4遺伝子変異 ― めまい
  4. 4.トリーチャー・コリンズ症候群 ― 中耳奇形
  5. 5.先天性サイトメガロウイルス感染症 ― 遅発性難聴

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — GJB2遺伝子変異 ― 難聴の急性憎悪 GJB2遺伝子変異は常染色体劣性非症候性難聴(DFNB1)の原因遺伝子であり、先天性難聴をもたらしますが、「急性憎悪」という臨床経過を特徴としません。この遺伝子異常による難聴は先天性で進行性ではなく、安定した聴力像を示します。難聴の急性憎悪は、むしろ変動する聴力を特徴とする遺伝子異常(例:ミトコンドリア遺伝子变異)に関連します。 --- 【各選択肢の解説】 1. GJB2遺伝子変異 ― 難聴の急性憎悪 ❌ 誤り。GJB2遺伝子はコネキシン26をコードし、先天性難聴の最も一般的な原因遺伝子です。しかし難聴は先天性で「急性憎悪」を示さず、通常は安定した聴力像を呈します。急性憎悪は変動する聴力特性で、この遺伝子変異では見られません。 2. アッシャー症候群 ― 網膜色素変性症 ✅ 正しい。アッシャー症候群は常染色体劣性遺伝疾患で、難聴と網膜色素変性症(進行性の夜盲と視野狭窄)の組み合わせを特徴とします。聴覚障害と視覚障害を併せ持つため、両感覚障害者となります。 3. SLC26A4遺伝子変異 ― めまい ✅ 正しい。SLC26A4遺伝子(ペンドリン遺伝子)変異は常染色体劣性難聴(DFNB4)の原因で、内リンパ水腫に関連し、めまい発作(変動する聴力とめまい)を特徴とします。甲状腺腫を伴うこともあります(ペンドレッド症候群)。 4. トリーチャー・コリンズ症候群 ― 中耳奇形 ✅ 正しい。常染色体優性遺伝疾患で、TCOF1遺伝子異常が原因です。外耳奇形(耳介低形成、外耳道狭窄)と中耳奇形(耳小骨奇形)を伴う伝音難聴が特徴です。顔面骨の低形成も見られます。 5. 先天性サイトメガロウイルス感染症 ― 遅発性難聴 ✅ 正しい。先天性CMV感染児のうち、出生時に難聴を有さない場合でも、成長過程で遅発性難聴が出現することが知られています。経過観察中に聴力が低下することがあります。 --- 【試験対策ポイント】 遺伝性難聴の原因遺伝子と臨床特徴 | 遺伝子 | 遺伝形式 | 聴力の特徴 | 随伴症状 | |---|---|---|---| | GJB2 | 常染色体劣性 | 先天性・安定 | なし(非症候性) | | SLC26A4 | 常染色体劣性 | 変動性・めまい | 甲状腺腫(可能) | | アッシャー症候群 | 常染色体劣性 | 先天性難聴 | 網膜色素変性症 | | TCOF1 | 常染色体優性 | 伝音難聴 | 外耳・中耳奇形 | | ミトコンドリア遺伝子 | 母系遺伝 | 急性憎悪あり | 多臓器関与 | 重要な否定知識: - 「GJB2変異=急性憎悪」は誤り
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