STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第195問

聴力検査第28回
オージオグラムが示す疾患はどれか。【図あり】
  1. 1.騒音性難聴
  2. 2.メニエール病
  3. 3.突発性難聴
  4. 4.耳硬化症 ✓
  5. 5.加齢性難聴
第28回第195問 図

正答:4番

解説
# 第28回 第195問 解説 ## ■ 正答:4番 — 耳硬化症 耳硬化症は、アブミ骨周囲の骨が異常に硬化・増殖することで、アブミ骨のアブミ骨底板の可動性が低下する**伝音性難聴**です。オージオグラムの特徴的な所見として、**Carhart切痕(Carhartsnotch)**と呼ばれる、**500〜1000Hz付近での特異的な骨導値の低下**が認められます。この所見が診断の鍵になります。 --- ## 【各選択肢の解説】 **1. 騒音性難聴** ❌ 誤り。高周波数帯(特に4000Hz付近)に**C5 dipと呼ばれる特異的な谷**が生じるのが特徴です。両側対称性の感音難聴で、オージオグラムのパターンが異なります。 **2. メニエール病** ❌ 誤り。感音難聴で、特に**低音域(500Hz以下)から障害が始まる**のが特徴です。反復性めまい・耳鳴・耳閉感を伴います。気骨導差がないため伝音難聴ではありません。 **3. 突発性難聴** ❌ 誤り。突然発症の一側性感音難聴で、**周波数による特異的な形態パターンが一定でない**ことが特徴です。Carhart切痕は示さず、骨導値も正常範囲内にとどまります。 **4. 耳硬化症** ✅ 正しい。**伝音性難聴**で、気導値(最も低下)> 骨導値(わずかな低下)という所見を呈します。**500〜1000Hz付近での骨導値の特異的な低下(Carhart切痕)**がオージオグラムで明確に認識される診断的な所見です。 **5. 加齢性難聴** ❌ 誤り。両側対称性・高音域から進行する**感音難聴**です。骨導値も気導値と同様に低下し、気骨導差がありません。Carhart切痕は示さず、外有毛細胞の障害や血管条の萎縮が原因です。 --- ## 【試験対策ポイント】 ### **5疾患のオージオグラムパターン鑑別表** | 疾患 | 難聴のタイプ | 周波数特性 | 気骨導差 | 特異的所見 | |---|---|---|---|---| | **耳硬化症** | 伝音性 | 低中周波数(500〜1000Hz)が最も低下 | あり | **Carhart切痕**(500〜1000Hz付近の骨導値低下) | | 騒音性難聴 | 感音性 | 4000Hz付近に特異的な低下 | なし | **C5 dip**(4000Hz付近の気導値の谷) | | メニエール病 | 感音性 | 低音域(500Hz以下)から低下 | なし | **低音障害型** | | 突発性難聴 | 感音性 | 周波数によって異なる(一定パターンなし) | なし | 突然発症・一側性 | | 加齢性難聴 | 感音性 | 高周波数域から進行 | なし | 両側対称性・高音漸傾型 | ### **Carhart切痕(耳硬化症の診断的所見)** - **500〜1000Hz付近**での骨導値の特異的な低下 - 気導値は4000〜8000Hzまで含めて広い周波数で低下するが、骨導値の低下は限定的 - この**気骨導差の周波数依存性**が耳硬化症を他の疾患から区別する鍵 - アブミ骨の可動性低下により、あたか
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