第28回 言語聴覚士国家試験 第95問
聴力検査第28回
半規管を刺激する検査はどれか。
- 1.温度刺激検査 ✓
- 2.Mann 検査
- 3.重心動揺検査
- 4.視運動性眼振検査
- 5.前庭誘発筋電位(VEMP)
正答:1番
解説
# 第28回 第95問 解説
## ■ 正答:1番 — 温度刺激検査
温度刺激検査は、外耳道に温水と冷水を注入することで半規管(特に水平半規管)の前庭受容器を直接刺激し、前庭眼反射(VOR)による眼振を誘発する検査です。これにより半規管の機能を評価します。
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## 【各選択肢の解説】
**1. 温度刺激検査**
✅ 正しい。温水(44°C)と冷水(30°C)の注入により、温度差で内リンパ液に対流を生じさせ、半規管の毛細胞が刺激されます。誘発された眼振の方向・速度・潜時で機能評価が可能です。Caloric testとも呼ばれます。
**2. Mann検査**
❌ 誤り。Mann検査は**視運動系の機能検査**で、回転椅子の背もたれに視標を描いた円筒を装着して検査者が円筒を回転させ、被検者の眼球運動の追従能を評価するものです。前庭機能ではなく視覚系の評価が主目的です。
**3. 重心動揺検査**
❌ 誤り。重心動揺検査(動的姿勢検査)は、安定した立位姿勢を保つための姿勢制御能力を評価する検査です。前庭機能の関与はありますが、半規管の**直接的刺激**ではなく、むしろ平衡感覚系全体(前庭・視覚・体性感覚)の統合機能を評価します。
**4. 視運動性眼振検査**
❌ 誤り。視運動性眼振検査は、回転する視標を注視させたときの眼球追従運動を評価するもので、**中枢神経系の視覚系と動眼神経系**の機能評価が主体です。前庭系ではなく視覚系の反応を見ています。
**5. 前庭誘発筋電位(VEMP)**
❌ 誤り。VEMPは**耳石器(卵形嚢・球形嚢)**を刺激して評価する検査です。音響刺激により耳石器内の毛細胞が刺激され、頸部筋(頸VEMP)または眼筋(眼VEMP)の筋電位応答を記録します。半規管ではなく直線加速度を感知する耳石器の機能評価です。
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## 【試験対策ポイント】
### **半規管 vs 耳石器の鑑別が必須**
| 前庭器官 | 感知機能 | 刺激方法 | 代表的検査 |
|---|---|---|---|
| **半規管** | 角加速度(回転) | 温度刺激で内リンパ対流 | 温度刺激検査(Caloric test) |
| **耳石器** | 重力・直線加速度 | 音響刺激 | VEMP・DCS(動的視点解析) |
### **前庭検査の分類**
**反射レベルの検査**(脳幹機能):
- **温度刺激検査** → 前庭眼反射(VOR)による眼振誘発
- **回転検査** → 半規管機能評価(VOR利得・位相角)
- **VEMP** → 耳石器機能評価
**中枢機能の検査**:
- 視運動性眼振検査 → 視覚と眼球運動の統合
- 重心動揺検査 → 姿勢制御系全体
### **温度刺激検査の実施ポイント**
1. **標準温度**:温水44°C、冷水30°C(肌温度との差が約10°C)
2. **刺激部位**:外耳道膜様部(鼓膜の近く)
3. **反応出現**