PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第84問

義肢装具学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第84問(義肢装具学)の正答は 3 です。切断術後の断端は浮腫が強く、そのままではソケットが適合しません。

問題
大腿切断術後の断端管理について正しいのはどれか。
  1. 1. 断端部の発汗異常には軽擦法が有効である。
  2. 2. rigid dressingでは断端部の状態が観察しやすい。
  3. 3. 断端の成熟を促すために弾性包帯で浮腫を軽減する。
  4. 4. 股関節の内旋拘縮が生じやすいので外旋位を保持する。
  5. 5. 創部の伸張による痛みが生じた場合は安静固定とする。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 断端の成熟を促すために弾性包帯で浮腫を軽減する。

切断術後の断端は浮腫が強く、そのままではソケットが適合しません。弾性包帯(ソフトドレッシング)で遠位から近位へ8字状に巻き上げ、浮腫を軽減して断端を円錐形に成熟させることが断端管理の基本です。


【各選択肢の解説】

1. 断端部の発汗異常には軽擦法が有効である。
❌ 誤り。軽擦法(マッサージ)は幻肢痛や断端の知覚過敏に対する脱感作として行うものです。発汗異常には清潔保持とソケット内環境の調整(ライナー材の変更など)で対応します。
2. rigid dressingでは断端部の状態が観察しやすい。
❌ 誤り。rigid dressing(ギプスによる硬性包帯)は断端を覆ってしまうため観察できません。観察しやすいのはソフトドレッシングです。
3. 断端の成熟を促すために弾性包帯で浮腫を軽減する。
✅ 正しい。断端末梢から中枢へ斜めに巻き、末梢ほど圧が高くなるようにします。
4. 股関節の内旋拘縮が生じやすいので外旋位を保持する。
❌ 誤り。大腿切断では内転筋群・ハムストリングスの付着部が失われ、股関節屈曲・外転・外旋拘縮が生じやすくなります。予防肢位は伸展・内転位で、腹臥位をとらせます。
5. 創部の伸張による痛みが生じた場合は安静固定とする。
❌ 誤り。安静固定は拘縮を助長します。疼痛を管理しながら早期からROM運動と断端の運動を継続します。

【試験対策ポイント】

  • 断端管理の3本柱=浮腫管理(弾性包帯)・拘縮予防(肢位)・脱感作
  • 拘縮の起こりやすい方向:大腿切断=股関節屈曲・外転・外旋/下腿切断=膝関節屈曲
  • 予防肢位:大腿切断は腹臥位、下腿切断は膝伸展位保持
  • rigid dressing=浮腫抑制に優れ早期義肢装着に有利。soft dressing=観察・調整が容易
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