PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第85問

義肢装具学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第85問(義肢装具学)の正答は 2 です。L2残存レベルでは腸腰筋(L1〜L3)による股関節屈曲は可能ですが、大腿四頭筋(L2〜L4)が不十分で膝の制御ができません。

問題
長下肢装具の適応はどれか。
  1. 1. 筋萎縮性側索硬化症
  2. 2. 第2腰髄残存レベルの脊髄損傷
  3. 3. 関節リウマチで人工膝関節置換術後
  4. 4. 外傷性股関節後方脱臼で坐骨神経麻痺
  5. 5. 下肢Brunnstrom法ステージⅣの脳卒中片麻痺

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 第2腰髄残存レベルの脊髄損傷

L2残存レベルでは腸腰筋(L1〜L3)による股関節屈曲は可能ですが、大腿四頭筋(L2〜L4)が不十分で膝の制御ができません。そのため膝関節を固定できる長下肢装具(KAFO)と松葉杖を用いた歩行が適応となります。


【各選択肢の解説】

1. 筋萎縮性側索硬化症
❌ 誤り。進行性で全身の筋力が低下していくため、重量のある長下肢装具は実用的ではありません。装具より車椅子・環境調整・呼吸管理が優先されます。
2. 第2腰髄残存レベルの脊髄損傷
✅ 正しい。股関節屈曲は可能だが膝伸展が不可のため、膝を固定する長下肢装具が必要です。
3. 関節リウマチで人工膝関節置換術後
❌ 誤り。人工膝関節置換術後は早期からのROM運動と荷重歩行が原則で、膝を固定する装具はむしろ有害です。
4. 外傷性股関節後方脱臼で坐骨神経麻痺
❌ 誤り。坐骨神経麻痺では下垂足が生じますが、大腿神経支配の大腿四頭筋は保たれるため膝伸展は可能です。短下肢装具で対応します。
5. 下肢Brunnstrom法ステージⅣの脳卒中片麻痺
❌ 誤り。ステージⅣは分離運動が出現し始めた段階で膝の随意性があります。必要でも短下肢装具レベルです。

【試験対策ポイント】

脊髄損傷の残存レベルと歩行手段の対応は必ず覚えます。

残存レベル主な装具と移動手段
T6〜T12長下肢装具+骨盤帯・松葉杖(実用性は低く車椅子が主)
L1〜L2長下肢装具(KAFO)+松葉杖で実用歩行
L3〜L4短下肢装具(AFO)+杖
L5以下短下肢装具または装具なしで歩行可

「膝の制御ができるか(大腿四頭筋=L2〜L4)」がKAFOとAFOの分かれ目です。

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