PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第47問

運動学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第47問(運動学)の正答は 1 です。高齢者の歩行は、バランス能力の低下を補うために支持基底面を広げる方向へ変化します。

問題
歩行時に若年者よりも高齢者の方が大きいのはどれか。
  1. 1. 歩隔
  2. 2. 歩幅
  3. 3. 骨盤回旋
  4. 4. 遊脚相/立脚相比
  5. 5. 頭部の上下動の振幅

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 歩隔

高齢者の歩行は、バランス能力の低下を補うために支持基底面を広げる方向へ変化します。すなわち歩隔(左右の足の間隔)は広くなり、歩幅・歩行速度・骨盤や体幹の回旋・重心の上下動は小さくなります。


【各選択肢の解説】

1. 歩隔
✅ 正しい。側方の安定性を高めるため広くなります。その結果、左右方向の重心移動距離はむしろ増えます。
2. 歩幅
❌ 誤り。下肢筋力低下と転倒不安から歩幅は短縮し、歩行率(ケイデンス)を上げて速度を保とうとします。
3. 骨盤回旋
❌ 誤り。体幹・骨盤の回旋は減少します(体幹を固めて歩く)。
4. 遊脚相/立脚相比
❌ 誤り。高齢者では立脚相、特に両脚支持期が延長するため、遊脚相の割合は相対的に減り、この比は小さくなります。
5. 頭部の上下動の振幅
❌ 誤り。すり足傾向となり、重心(頭部)の上下動は減少します。

【試験対策ポイント】

若年者の標準値:歩行周期は立脚相60%・遊脚相40%、両脚支持期は1周期に2回で計約20%。重心の上下動は約5cm、左右動も約5cm(速歩では上下動・歩隔とも減少)。

高齢者歩行の特徴は「減るものが多数派、増えるのは歩隔と両脚支持期」と覚えます。歩行速度↓・歩幅↓・歩隔↑両脚支持期↑・蹴り出し(足関節底屈)↓・股関節伸展角度↓・上肢の振り↓・骨盤回旋↓・足尖のクリアランス↓(つまずきの原因)。

「増えるのは何か」と問われたら歩隔と両脚支持期(立脚相の割合)、と即答できるようにしておきましょう。

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