PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第73問

運動学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第73問(運動学)の正答は 3・5 です。静止立位では、重心線は各関節軸のわずかに前方または後方を通り、そのずれの分だけ抗重力筋が持続的に働いてバランスを保っています。

問題
成人の静止立位で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 重心位置は第2腰椎のやや前方にある。
  2. 2. 小児よりも身長に対する重心位置が高い。
  3. 3. 頭部の重心線は環椎後頭関節の前を通る。 ✓
  4. 4. 重心線は膝関節軸の後方を通る。
  5. 5. 重心線は足関節軸の前方を通る。 ✓

正答:3・5番

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解説
■ 正答:3・5番 — 頭部の重心線は環椎後頭関節の前を通る。/重心線は足関節軸の前方を通る。

静止立位では、重心線は各関節軸のわずかに前方または後方を通り、そのずれの分だけ抗重力筋が持続的に働いてバランスを保っています。頭部の重心は環椎後頭関節の前方、身体全体の重心線は足関節軸の前方を通ります。


【各選択肢の解説】

1. 重心位置は第2腰椎のやや前方にある。
❌ 誤り。成人の身体重心は第2仙椎のやや前方(身長のおよそ55〜56%の高さ)にあります。
2. 小児よりも身長に対する重心位置が高い。
❌ 誤り。乳幼児は頭部が相対的に大きいため、身長に対する重心位置は成人より高い(身長比で約60%前後)です。成人のほうが低くなります。小児が転びやすい一因でもあります。
3. 頭部の重心線は環椎後頭関節の前を通る。
✅ 正しい。頭部は前方へ倒れようとするため、後頸部の伸筋群(板状筋・僧帽筋上部など)が持続的に働いて支えています。
4. 重心線は膝関節軸の後方を通る。
❌ 誤り。重心線は膝関節(前額軸)のやや前方を通ります。そのため膝は伸展方向のモーメントを受けて骨性・靱帯性にロックされ、大腿四頭筋の活動はごくわずかで済みます。
5. 重心線は足関節軸の前方を通る。
✅ 正しい。前方へ倒れようとする力に対して下腿三頭筋(特にヒラメ筋)が持続的に働き、静止立位を保っています。

【試験対策ポイント】

矢状面での重心線の通り道は、上から順に「乳様突起のやや後方→肩峰のやや後方→環椎後頭関節の前方→股関節のやや後方→膝関節のやや前方→足関節の前方(外果の前方およそ5〜6 cm)」。関節ごとに前後どちらを通るかを、対応する抗重力筋とセットで覚えます。

代表的な抗重力筋は脊柱起立筋・ハムストリングス・ヒラメ筋で、とくにヒラメ筋は立位で最も持続的に活動します。

静止立位の重心動揺は前後方向のほうが左右方向より大きく、歩行時の重心移動は上下・左右ともおよそ4〜5 cm(速歩では左右動揺は減少)という数値も併せて押さえましょう。

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