PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第65問

リハビリテーション医学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第65問(リハビリテーション医学)の正答は 5 です。これは誤りを問う問題です。

問題
脳卒中患者の摂食・嚥下障害で誤っているのはどれか。
  1. 1. 急性期に高頻度にみられる。
  2. 2. 体位調節は誤嚥防止に役立つ。
  3. 3. 仮性球麻痺があると生じやすい。
  4. 4. 水はペーストよりも誤嚥しやすい。
  5. 5. 右側の咽頭麻痺では顔を左に向けて食べさせる。 ✓

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 右側の咽頭麻痺では顔を左に向けて食べさせる。

これは誤りを問う問題です。頸部回旋(横向き嚥下)は麻痺側へ顔を向けるのが原則です。麻痺側に回旋すると麻痺側の梨状窩が狭くなって閉鎖され、食塊が健側の咽頭を通過するため誤嚥が減ります。右咽頭麻痺なら顔は右へ向けます。


【各選択肢の解説】

1. 急性期に高頻度にみられる。
✅ 正しい。脳卒中急性期には約3〜5割に嚥下障害が出現し、多くは経過とともに改善しますが、誤嚥性肺炎の最大の危険因子となります。
2. 体位調節は誤嚥防止に役立つ。
✅ 正しい。30度リクライニング位+頸部前屈(顎を引く)とすることで、重力により食塊が咽頭後壁を伝って流れ、気道への流入が減ります。
3. 仮性球麻痺があると生じやすい。
✅ 正しい。両側の皮質延髄路障害による仮性球麻痺では嚥下反射の惹起遅延や口腔期の障害が生じます。
4. 水はペーストよりも誤嚥しやすい。
✅ 正しい。液体は流動速度が速く咽頭でまとまりにくいため、嚥下反射が遅れると容易に喉頭へ流入します。だから増粘剤でとろみをつけます。
5. 右側の咽頭麻痺では顔を左に向けて食べさせる。
❌ 誤り。健側(左)へ向けると麻痺側の梨状窩が広がり、かえって食塊が麻痺側に流れ込んで誤嚥しやすくなります。正しくは麻痺側の右へ回旋させます。

【試験対策ポイント】

嚥下姿勢の柱を整理します。頸部前屈(顎引き)=気道が狭まり誤嚥防止/リクライニング位(30度)=重力を利用し咽頭への送り込みを助ける/頸部回旋=麻痺側へ向けて麻痺側咽頭をふさぐ/一側嚥下=健側を下にした側臥位。「回旋は麻痺側へ、側臥位は健側を下に」と対で覚えると混同しません。食物形態はゼリー・ペースト>ミキサー>刻み>液体の順に安全で、刻み食はばらけて誤嚥しやすい点も要注意です。

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